2026年現在、ChatGPTや画像生成AIなど、AIは日常に完全に溶け込んでいます。そしてその流れは仮想通貨の世界にも波及していて、「AI関連仮想通貨」と呼ばれるカテゴリが急成長しています。
ただ、「AI関連」と聞いても、ビットコインやイーサリアムとの違いがピンと来ない人は多いはずです。
なふと正直、僕も最初は「AIとブロックチェーンって何の関係があるの?」って思ってました。全然別の技術じゃんって。
結論から言うと、AI関連の仮想通貨とは「AI技術のインフラを分散型で支えるためのトークン」です。
そもそもAI関連の仮想通貨って何?普通の仮想通貨と何が違うのか
現在のAIには大きな問題があります。ChatGPTを動かしているのはOpenAI、画像生成のStable Diffusionは特定の企業が管理している。つまり、AI技術のほとんどが中央集権的に管理されているのです。
もしOpenAIが「この情報はAIに学習させない」と決めたら、誰も逆らえない。もしGoogleが「このAIモデルの利用料を10倍にする」と言ったら、払うしかない。
ここにブロックチェーンの出番があります。
AI関連仮想通貨が解決しようとしているのは、「AI技術を特定の企業に独占させない」という問題です。
具体的には、こんなことを分散型で実現しようとしています。
- AIの学習データを、みんなで共有・取引できるようにする
- AIモデルの計算に必要なGPUパワーを、世界中から集められるようにする
- AIの判断プロセスを透明化して、ブラックボックスにさせない
ビットコインが「お金を銀行に独占させない」ために生まれたように、AI関連仮想通貨は「AIを巨大テック企業に独占させない」ために存在しています。
AI関連仮想通貨の5つのカテゴリ
「AI関連」と一口に言っても、プロジェクトによってやっていることはまったく違います。闇鍋的に銘柄を羅列しても意味がないので、まずカテゴリで整理します。
AI関連仮想通貨は、大きく分けて5つのカテゴリに分類できます。カテゴリを理解すると、個別銘柄の評価がしやすくなります。
分散型AI基盤 — AIモデルの共有と協調
AIモデルそのものを分散型ネットワークで共有・改善するカテゴリです。「みんなでAIを育てて、貢献した人にトークンで報酬を出す」という仕組み。
Bittensor(TAO)、Fetch.ai / ASI Alliance(FET)
分散型GPU / コンピューティング — 計算パワーの民主化
AIの学習や推論には膨大なGPU(グラフィックボード)パワーが必要です。NVIDIAのGPUは品薄で、大企業しかまともに確保できない。そこで「世界中の余っているGPUをネットワークで共有する」のがこのカテゴリです。
Render(RENDER)、Akash Network(AKT)
データインデックス — ブロックチェーンデータの整理屋
ブロックチェーン上のデータは膨大ですが、そのままでは検索も分析もできません。このカテゴリは「ブロックチェーン版のGoogle検索エンジン」を作るプロジェクトです。AIアプリケーションがデータにアクセスするための基盤になります。
The Graph(GRT)
レイヤー1インフラ — AI対応のブロックチェーン自体を作る
既存のブロックチェーン(イーサリアムなど)はAI用に設計されていません。このカテゴリは、最初からAIワークロードに最適化されたブロックチェーンを一から構築するプロジェクトです。
NEAR Protocol(NEAR)、Internet Computer(ICP)
AIエージェント系 — 自律的に動くAIの経済圏
人間の指示なしに、AIが自律的にタスクを実行・取引・意思決定する「AIエージェント経済」のトークンです。2026年のトレンドとして最も注目されているカテゴリですが、同時に未成熟なプロジェクトも多い。
Virtual Protocol(VIRTUAL)
注目のAI関連銘柄7選
ここからは具体的な銘柄を紹介します。ただし「おすすめ」ではありません。何をしているプロジェクトかを理解した上で、自分で判断する材料にしてください。
銘柄名で飛びつくのではなく、「このプロジェクトは何の問題を解決しているのか?」を常に考えることが重要です。
Bittensor(TAO)— AI仮想通貨の時価総額トップ
Bittensorは、AIモデルの分散型マーケットプレイスです。世界中の開発者がAIモデルを提出し、その性能に応じてTAOトークンで報酬が支払われる仕組み。
「みんなのAIモデルを競わせて、一番優秀なものに報酬を出す」というイメージが近いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ティッカー | TAO |
| カテゴリ | 分散型AI基盤 |
| 特徴 | AIモデルの競争・協調・報酬分配 |
| 国内取引所 | 取り扱いなし(海外取引所が必要) |
| リスク | 技術的に複雑、一般ユーザーの利用は限定的 |
Render(RENDER)— 分散型GPUネットワーク
Renderは、GPUの計算パワーを世界中から集めて、3Dレンダリングやai推論に使えるネットワークです。映画のVFXやメタバースのグラフィック処理などにも使われています。
AI時代に最も不足しているのはGPUパワー。その需要に直結するプロジェクトという点で、実用性が明確です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ティッカー | RENDER |
| カテゴリ | 分散型GPU / コンピューティング |
| 特徴 | GPU計算リソースのP2Pマーケットプレイス |
| 国内取引所 | 取り扱いなし(海外取引所が必要) |
| リスク | AWSやGCP等、中央集権型クラウドとの競争 |
Fetch.ai / ASI Alliance(FET)— AIエージェント経済の中核
Fetch.aiはSingularityNETと統合して「Artificial Superintelligence Alliance(ASI)」を結成。当初はOcean Protocolも参加していましたが、2025年10月に脱退しています。現在はAIサービスの分散型マーケットプレイスを構築中です。
自律的に動くAIエージェントが、データの売買やサービスの提供を自動で行う世界を目指しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ティッカー | FET |
| カテゴリ | 分散型AI基盤 / エージェント |
| 特徴 | SingularityNETとの統合、AIサービスの分散型取引 |
| 国内取引所 | 取り扱いなし(海外取引所が必要) |
| リスク | Ocean Protocol脱退の影響、ロードマップの実現性 |
NEAR Protocol(NEAR)— 「Blockchain of AI」を標榜
NEARはレイヤー1ブロックチェーンとして「AI時代のインフラ」を明確に打ち出しています。シャーディング技術による高いスケーラビリティと低コストが特徴で、AI dApps(分散型アプリ)の開発基盤として期待されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ティッカー | NEAR |
| カテゴリ | レイヤー1インフラ |
| 特徴 | 高速・低コスト・AI対応のL1チェーン |
| 国内取引所 | SBI VCトレード、CoinTrade、Binance Japan |
| リスク | L1競争が激しい(Solana、Sui等との競合) |
The Graph(GRT)— ブロックチェーンのGoogle
The Graphは、ブロックチェーン上のデータをインデックス化(整理・検索可能に)するプロトコルです。DeFiやNFTのアプリケーションがデータを取得する裏側で、The Graphが動いています。
AIアプリケーションが増えるほど、データの整理・検索需要も増える。インフラとしての立ち位置が明確です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ティッカー | GRT |
| カテゴリ | データインデックス |
| 特徴 | ブロックチェーンデータの分散型検索エンジン |
| 国内取引所 | 取り扱いなし(海外取引所が必要) |
| リスク | 収益モデルへの依存度が高い |
Internet Computer(ICP)— オンチェーンAIを実現
ICPはDFINITY財団が開発した、ウェブサイトやサービス全体をブロックチェーン上でホスティングできるプラットフォームです。通常のブロックチェーンではAIモデルの実行は不可能ですが、ICPはオンチェーンでのAIモデル実行を実現しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ティッカー | ICP |
| カテゴリ | レイヤー1インフラ |
| 特徴 | ブロックチェーン上でのAIモデル実行・Webホスティング |
| 国内取引所 | 取り扱いなし(海外取引所が必要) |
| リスク | 中央集権的なノード構造への批判がある |
Akash Network(AKT)— 分散型クラウドの本命
Akashは「分散型AWS」とも呼ばれるクラウドコンピューティングのマーケットプレイスです。AWS(Amazon)やGCP(Google)が独占しているクラウド市場に、分散型の代替手段を提供します。
AIのワークロードは膨大なクラウドリソースを消費します。Akashの価格はAWSと比較して70〜85%のコスト削減が可能とされており、コスト面での優位性が明確です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ティッカー | AKT |
| カテゴリ | 分散型GPU / コンピューティング |
| 特徴 | 分散型クラウド、AWSへの分散型対抗馬 |
| 国内取引所 | 取り扱いなし(海外取引所が必要) |
| リスク | エンタープライズ採用の壁、信頼性の証明が必要 |
「買っていいコイン」と「触るべきでないコイン」の見分け方
AI関連仮想通貨の数は増え続けています。その大半は、名前に「AI」と付けただけのプロジェクトです。
正直に言うと、AI関連コインの9割はバズワードだけで中身がない。残り1割を見極められるかが、投資の成否を分けます。
なふと2017年のICOバブル、2021年のNFTバブルと同じ構造です。ブームに乗って粗悪なプロジェクトが大量発生して、ほとんどが消える。
チェックすべき5つの評価軸
銘柄を評価するとき、以下の5つを確認してください。
この5つのうち3つ以上クリアしていれば、少なくとも「検討する価値がある」プロジェクトです。1つもクリアしていなければ、近づかないほうがいい。
- 実際のユーザーがいるか? — ホワイトペーパーの理想ではなく、今この瞬間にサービスを使っている人がいるか
- GitHubの開発活動は活発か? — コードの更新が直近3ヶ月以内にあるか。停止していたら危険信号
- トークンの使い道が明確か? — そのトークンがないとサービスが成立しない理由があるか
- チームは実名で活動しているか? — 匿名チームの場合、ラグプル(持ち逃げ)リスクが上がる
- コミュニティは実質的な議論をしているか? — 「moon 🚀」の連呼だけのコミュニティは論外
こんなプロジェクトは危険サイン
逆に、以下の特徴があるプロジェクトには手を出さないでください。
- プロジェクト名に「AI」が入っているだけで、具体的な技術的説明がない
- ホワイトペーパーがない、または数ページで終わっている
- Elon MuskやSam Altmanの名前を許可なく使っている
- 「1000倍確定」「今買わないと損」といった煽り文句が公式から出ている
- トークンの配分が運営チームに極端に偏っている
詐欺の具体的な手口と対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。

国内取引所で買える銘柄と海外取引所が必要な銘柄
残念ながら、AI関連の仮想通貨のほとんどは国内取引所では扱っていません。
「興味はあるけど海外取引所はちょっと不安…」という人は、まず国内で買えるNEARから始めるのも一つの手です。
| 銘柄 | 国内取引所 | 海外取引所 |
|---|---|---|
| NEAR | SBI VCトレード、CoinTrade、Binance Japan | Binance, Bybit等 |
| TAO | × | Binance, KuCoin等 |
| RENDER | × | Binance, Coinbase等 |
| FET | × | Binance, Bybit等 |
| GRT | × | Binance, Coinbase等 |
| ICP | × | Binance, Coinbase等 |
| AKT | × | Binance, KuCoin等 |
海外取引所を使う場合は、まず国内取引所でビットコインやイーサリアムを購入し、それを海外取引所に送金して目的のコインに交換する流れが一般的です。
仮想通貨への投資自体に不安がある方は、まずはこちらの記事で基本を押さえてください。

よくある質問
まとめ
AI関連の仮想通貨は、AIブームに乗っかった投機対象ではなく、「AI技術を分散型で支えるインフラへの投資」として捉えるべきカテゴリです。
- AI関連仮想通貨 = AI技術のインフラを分散型で支えるトークン
- 5つのカテゴリ:AI基盤、GPU共有、データ整理、L1インフラ、AIエージェント
- 注目銘柄はTAO、RENDER、FET、NEAR、GRT、ICP、AKTの7つ
- 銘柄選びの鍵は「実用性」「開発活動」「トークン設計」の3つ
- 名前だけAIのプロジェクトが9割。評価軸を持って選べ
- 国内取引所で買えるのはNEARのみ。他は海外取引所が必要
「どのAIコインが上がるか」ではなく、「どのプロジェクトが現実の問題を解決しているか」で選ぶ。それだけで、9割の失敗を避けられます。
なふとAIの進化は止まらない。でも、それに便乗する詐欺も止まらない。見極める目を持つことが、このカテゴリで生き残る唯一の方法です。

