「Zaif(ザイフ)ってまだあるの?」「ハッキングされた取引所でしょ?」——Zaifの名前を聞いて、こう反応する人は多いと思います。
結論から言うと、Zaifは現在も運営を続けています。しかし、2018年と今ではまったく別の組織です。運営会社は全交代し、セキュリティ体制もゼロから再構築されています。
この記事では、まずハッキング事件の全貌と「今のZaif」の実態を正直に整理します。その上で、bitFlyerやCoincheckにはない独自サービスの価値と、使う前に知っておくべき弱点を包み隠さず書きます。
先に言っておくと、Zaifは万人向けのメイン取引所ではありません。しかし「ここでしかできないこと」が確実にあります。サブの取引所として光る存在——それが今のZaifです。
「Zaifはやめとけ」と言われる理由を最初に整理する
Zaifで検索すると「危ない」「やめとけ」という声が目に入ります。その原因はほぼ1つ——2018年のハッキング事件です。ただし、事件の中身と「今のZaif」を混同している情報が非常に多い。まず事実を整理します。
2018年9月、約67億円のハッキング被害
2018年9月14日、当時のZaifを運営していたテックビューロのホットウォレットに不正アクセスが発生。ビットコイン・モナコイン・ビットコインキャッシュの合計約67億円が流出しました。このうち約45億円が顧客資産でした。
これはCoincheck事件(2018年1月、約580億円流出)に続く国内2番目の大規模流出事件として大きく報じられ、金融庁から業務改善命令が出されました。「Zaif=危険」のイメージは、この事件に起因しています。
運営会社は「完全に入れ替わっている」
ここが見落とされがちなポイントです。事件後、テックビューロは事業継続が困難となり、フィスコグループに事業を譲渡しました。フィスコから50億円の金融支援を受け、顧客への補償と事業再建が実施されています。
現在Zaifを運営しているのは株式会社カイカエクスチェンジです。「Zaif」という名前は同じですが、中の組織はまったくの別物。当時のテックビューロはすでに存在しません。
現在のセキュリティ体制
- 大部分の資産はインターネットから物理的に切り離されたコールドウォレットで保管されています。
- ビットコインなどの移動には複数のシステムによる署名(マルチシグ)を必須とし、単独での不正送金を防いでいます。
- ログイン時や出金時には2段階認証(2FA)が強制されるため、パスワードだけでの突破は不可能です。
- 現在の運営会社であるカイカエクスチェンジは、金融庁に暗号資産交換業者(関東財務局長 第00002号)として正式に登録されています。
なふと「体制が変わったから安全だ」と断言するつもりはありません。ただ、2018年の事件は「前の運営会社」の話であり、「今のZaif」とは組織が違うという事実は知っておくべきです。その上でどう評価するかはあなた次第です。
今のZaifにしかないもの
ハッキングの話を整理した上で、次の問いに答えます——じゃあ今のZaifには、bitFlyerやCoincheckにない何があるのか?
正直、取引量やUIの洗練度ではZaifは大手に敵いません。しかし「ここでしかできないこと」が4つあります。
他社では買えない独自トークン
カイカコイン(CICC)、フィスココイン(FSCC)、JOCコインなど、国内の他の取引所では一切取り扱いのないトークンを複数上場しています。2026年2月にはJOCコインの取り扱いも新たに開始されました。
メジャーコインにはない値動きの大きさがあるため、ハイリスク・ハイリターンの投資先を探しているユーザーにとっては、Zaifでしかアクセスできない選択肢です。ただし流動性のリスクについてはデメリットの項で後述します。
Zaifカード——買い物でビットコインが貯まる
利用額に応じてビットコインが還元されるカードです。Zaifでの利用では最大1.2%相当のBTC還元が受けられます(2026年2月時点)。
「仮想通貨を買う」のではなく「日常の買い物で勝手に貯まる」という導線は、投資に踏み切れない層にとって心理的なハードルが圧倒的に低いです。
1,000円から始められるコイン積立
毎月決まった金額で暗号資産を自動購入するサービスです。いわゆるドルコスト平均法をそのまま仮想通貨に適用できるため、「いつ買えばいいか分からない」という初心者の最大の悩みを解消できます。
おてがるトレード(自動売買)
2022年6月から提供されている自動売買サービスです。国内取引所でこの機能を持っているのはZaifだけ。チャートを見ている時間がない人でも、設定さえすれば自動で売買が実行されます。
独自トークン・Zaifカード・コイン積立・おてがるトレード。この4つを1つの取引所で提供しているのは国内ではZaifだけです。大手にはない「小回りの利く独自路線」がZaifの存在価値です。
使う前に知っておくべき弱点
独自の強みがある一方で、正直に書いておかないとフェアじゃない部分もあります。
出金手数料は国内取引所ワーストクラス
日本円の出金手数料は、3万円未満で385円、3万円以上で770円。頻繁に出金する使い方をすると地味に痛い金額です。
| 取引所 | 日本円出金手数料 |
|---|---|
| GMOコイン | 無料 |
| SBI VCトレード | 無料 |
| bitFlyer(三井住友) | 220円 |
| Coincheck | 407円 |
| Zaif | 385〜770円 |
出金回数をまとめて減らすか、GMOコインなど出金無料の取引所を経由する工夫が必要です。
販売所のスプレッドが広い——取引所形式を使うべき
Zaifの「かんたん売買」(販売所形式)は手数料無料を謳っていますが、実際には売値と買値の差(スプレッド)が実質的なコストになります。このスプレッドが他社と比べて広めです。
独自トークンの流動性リスク
メリットで挙げた独自トークンには裏面もあります。CICC、FSCCなどは他社で取り扱いがないため、メジャーコインと比べて板が薄く、大口注文で価格が大きく動くリスクがあります。「買ったはいいが売りたい時に値がつかない」という可能性もゼロではありません。
独自トークンに投資する場合は、ポートフォリオ全体の5%以下に留めるのが安全な目安です。
板が薄い。大手と同じ感覚でトレードするとストレスがたまる
Zaifの利用者数はbitFlyerやCoincheckと比べると少ないのが現実です。ユーザー数の少なさは板の厚みに直結するため、特にマイナーな通貨ペアでは指値注文がなかなか約定しないことがあります。
BTC/JPYやETH/JPYなどの主要ペアなら大きな問題にはなりませんが、アクティブなトレードを想定している場合はストレスを感じるかもしれません。
結局、誰がZaifを使うべきなのか
ここまでの内容を踏まえて、Zaifが合う人・合わない人を整理します。
メインの取引所選びはこちらの記事を参考にしてください。

よくある質問
板取引を重視するならbitbankも有力な選択肢です。


まとめ
2018年のハッキング事件は事実です。しかし、運営会社は全交代し、セキュリティ体制はゼロから再構築されました。今のZaifは、あの事件を起こした組織とは別物です。
- 2018年ハッキング後に運営会社が全交代。セキュリティは再構築済み、金融庁登録済み
- 独自トークン・Zaifカード・コイン積立・おてがるトレードは他社にない強み
- 取引所Maker手数料0%は安いが、出金手数料(385〜770円)と販売所スプレッドは割高
- 板の厚みは大手に劣る。アクティブなトレードには不向き
- メインではなく「サブの取引所」として独自サービスを活用するのが最も合理的な使い方
なふとZaifは「すべての人におすすめ」の取引所ではありません。でも、独自トークンやZaifカードなど、ここでしか手に入らないものがあるのも事実です。メインの取引所を大手で固めた上で「もう1つの引き出し」として持っておく。それがZaifの最も合理的な使い方です。

