Triaカードは本当にお得なのか?隠れたコストと落とし穴を全部洗い出した

「仮想通貨を普段の買い物に使える」。そんなコンセプトで注目を集めているTriaカードですが、SNSで見かけるのはメリットばかりで、デメリットの情報がほとんど出てきません。

この記事では、Triaカードの手数料・年会費・税金まで、すべてのコストを数字で洗い出しました。

「本当にお得なのか?」をあなた自身で判断できるように、メリットもデメリットも忖度なしでまとめています。

目次

Triaカードとは何か

Triaカードは、保有している仮想通貨をVisa加盟店での支払いに使えるデビットカードです。運営しているのはニューヨークに拠点を置くWeb3企業、Threely Dimensions Inc.で、2022年に設立されました。

対応している仮想通貨は1,000種類以上。ビットコインやイーサリアムはもちろん、USDCやUSDTといったステーブルコインにも対応しています。Visa加盟店であれば世界150カ国以上、1億3,000万店舗以上で利用可能です。

もう一つの大きな特徴は、ノンカストディアル型のウォレットであること。秘密鍵をユーザー自身が管理するため、取引所のハッキングリスクとは無縁です。Apple PayやGoogle Payにも対応しているので、物理カードがなくてもスマホだけで決済できます。

3種類のカードと料金体系

Triaカードには3つのプランがあり、それぞれ年会費とキャッシュバック率が異なります。

プラン 年会費 キャッシュバック率 物理カード
バーチャル 20ドル(約3,000円) 1.5% なし
シグネチャー 90ドル(約13,500円) 4.5% あり
プレミアム 225ドル(約33,750円) 6.0% あり

さらに、TRIAトークンをステーキングすることでキャッシュバック率を最大+2%上乗せでき、プレミアムカードなら最大8%還元を受けることも可能です。

なふと

数字だけ見ると魅力的ですが、問題はこの還元率を活かすために必要なコストです。ここからが本題です。

Triaカードのデメリットを正直に洗い出す

SNSやアフィリエイト記事ではメリットばかりが並びがちですが、Triaカードにはかなり多くの注意点があります。ここでは、実際に使う前に知っておくべきデメリットを一つずつ掘り下げます。

仮想通貨で払うたびに税金が発生する

Triaカードの最大のデメリットは、間違いなくこれです。

日本の税制では、仮想通貨を使って何かを購入する行為は「仮想通貨の売却(譲渡)」とみなされます。つまり、コンビニでコーヒーを買っただけでも、そのときの仮想通貨の時価と取得価額の差額に対して課税が発生するのです。

仮想通貨の利益は「雑所得」に分類され、他の所得と合算して総合課税されます。所得税と住民税を合わせると最大55%

では、具体的にどのくらいの税負担になるのか。1BTCを500万円で取得し、600万円に値上がりした状態でTriaカードを使って10万円分の買い物をしたケースを考えてみます。

  • 利用額:10万円分のBTC
  • 取得単価:500万円/BTC → 利用分の取得原価 = 83,333円
  • 利用時の時価:600万円/BTC → 利用分の時価 = 100,000円
  • 課税対象の利益:100,000 − 83,333 = 16,667円
  • 課税率30%(年収500万円想定)の場合:約5,000円の税金

たった10万円の買い物で5,000円の税金。しかもこれを利用するたびに損益計算しなければならないのが本当に厄介です。年間20万円を超える利益が出れば確定申告も必要になります。

仮想通貨の税制改正(申告分離課税20.315%への移行)は議論されていますが、早くて2028年1月以降の取引が対象です。2026年〜2027年はまだ現行の雑所得ルールのままです。

Triaカードの税金面についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります。

日本円決済では為替手数料が二重にかかる

Triaカードの残高は米ドル基準で管理されています。そのため、米ドル建ての決済なら手数料は0%ですが、日本円で支払う場合は為替手数料が発生します。

一般的には約1%のVisa為替手数料が発生するとされていますが、一部の情報では最大3%になるケースもあるとされており、正確な手数料率は決済タイミングや通貨の組み合わせによって変動します。

仮に1%で計算しても、1万円の買い物で約100円、10万円なら約1,000円。日本国内で日常的に使うと、すべての決済に為替コストが上乗せされていることを理解しておく必要があります。

なふと

キャッシュバック1.5%のバーチャルカードだと、為替手数料1%を引いた実質還元は0.5%程度。年会費を考えるとほぼ旨みがありません。日本で使うなら最低でもシグネチャー以上を検討すべきです。

ATM出金は手数料が割高

シグネチャーカードやプレミアムカードの物理カードがあれば、世界中のATMで現地通貨を引き出すことができます。ただし、手数料は出金額の3% + 2ドルです。

たとえば5万円を引き出す場合、手数料は1,500円 + 約300円(2ドル) = 約1,800円。率にすると3.6%です。国内銀行のATM手数料が110〜220円であることを考えると、かなり割高と言わざるを得ません。

TriaカードのATM機能は「急場しのぎ」と割り切るべきで、日常的な現金引き出しには向いていません。

年会費の元取りラインは意外と高い

キャッシュバック率が高く見えるTriaカードですが、年会費を回収するには一定以上の利用額が必要です。日本円決済時の為替手数料(約1%)を考慮した場合の、実際の損益分岐点をシミュレーションしました。

プラン 年会費 実質還元率(日本円決済時) 年会費回収に必要な年間利用額
バーチャル 約3,000円 約0.5% 約60万円
シグネチャー 約13,500円 約3.5% 約39万円
プレミアム 約33,750円 約5.0% 約68万円

バーチャルカードの実質還元率は約0.5%と低く、年会費を回収するには年間60万円以上の利用が必要です。シグネチャーでも約39万円、プレミアムなら約68万円がラインです。さらに、税金の計算コストを加味すると損益分岐点はもう一段上がります。

なふと

正直に言うと、年会費の元を取るハードルは多くの人が想像しているより高いです。「最大6%キャッシュバック」という数字だけで判断するのは危険です。

物理カードが届くまで時間がかかる

バーチャルカードは本人確認後すぐに発行されますが、物理カードの配送には8〜12週間かかるという報告が多く見られます。海外からの発送になるため、当然ながら日本国内のカード発行とは事情が違います。

「申し込んだのに2ヶ月待っても届かない」という状況が現実的にあり得るので、急いでいる人にはストレスになるでしょう。まずバーチャルカードで試してみて、気に入ったら物理カードを申し込む、という順番が無難です。

海外発行カードならではの制限

Triaカードは海外で発行されたVisaカードです。そのため、日本国内の一部店舗やオンラインサービスでは決済が拒否される可能性があります。

また、不正利用防止のセキュリティチェックが入った際に「カード発行会社」を聞かれることがあります。この場合、「BANCO POPULAR DE PUERTO RICO」を選択する必要があるのですが、これを知らないとそこで詰んでしまいます。

メインカードとしてTriaカードだけに頼るのはリスクがあります。国内の決済手段は別に確保しておくべきです。

ラウンジとキャッシュバックの裏側

Triaカードの魅力として語られがちな「空港ラウンジ」と「高還元キャッシュバック」。ただ、どちらも実態をよく見ると、広告の印象とはかなりギャップがあります。

空港ラウンジは無料ではない

プレミアムカードの特典として「世界100カ国以上の空港ラウンジが使える」とアピールされていますが、これはVisa Airport Companionというサービスを経由した利用です。

重要なのは、ラウンジの利用は無料ではなく、利用ごとに料金が発生するということ。割引が適用される場合もありますが、完全無料とは言えません。正確な料金はVisa Airport Companionアプリで確認する必要があります。

なふと

「ラウンジが使える」と聞くとプライオリティパスのような無料アクセスを想像しますが、Triaカードの場合は有料です。ここは期待値と現実のギャップが大きいポイントです。

キャッシュバックの付与タイミングと仕様変更

キャッシュバックにも注意点があります。まず、付与タイミングは決済直後ではありません。TRIAトークンの生成イベント後、約3ヶ月後に付与される予定とされています。

さらに、2026年2月からキャッシュバックの支払い方法が変更されました。以前はTRIAトークンでの付与が予定されていましたが、現在はUSDTまたはUSDCで支払われる仕様になっています。

TRIAトークンの値上がりによるボーナスを期待していた人にとっては、この変更は実質的なダウングレードです。

逆にTriaカードのメリットはどこにあるのか

ここまでデメリットを並べてきましたが、Triaカードにはもちろんメリットもあります。大事なのは両方を理解した上で判断することです。

メリット
デメリット
  • 1,000種類以上の仮想通貨で決済可能
  • ノンカストディアルで資産を自分で管理
  • Apple Pay・Google Pay対応
  • 最大8%のキャッシュバック
  • 世界150カ国以上で利用可能
  • 利用のたびに課税対象になる
  • 日本円決済で約1%の為替手数料
  • 年会費が最低でも約3,000円
  • ATM手数料が3%+2ドルと割高
  • キャッシュバック付与が約3ヶ月後

ノンカストディアルだから資産を自分で管理できる

多くのクリプトカードは、ユーザーの仮想通貨を運営側が預かるカストディアル型です。この場合、運営が破綻したりハッキングされたりすると、預けた資産を失うリスクがあります。

Triaカードはノンカストディアル型、つまり秘密鍵をユーザー自身が管理する方式です。取引所のハッキング事件が後を絶たない現状を考えると、これは大きな安心材料です。

ウォレットの安全性について詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

Apple PayとGoogle Payに対応している

バーチャルカードでも、Apple PayやGoogle Payに登録すればスマホだけで非接触決済ができます。物理カードの到着を待たなくても、登録から数分後にはコンビニで使い始められるのは大きなアドバンテージです。

BestPath AVS技術による「ガスレストランザクション」にも対応しており、ガス代やブリッジ操作を意識せずに利用できる設計になっています。Web3に詳しくない人でもストレスなく使える点は評価できます。

ステーキング込みで最大8%還元は業界トップクラス

TRIAトークンをステーキングすることでキャッシュバック率が最大+2%になり、プレミアムカードとの併用で最大8%の還元率が実現します。

一般的なクレジットカードの還元率が0.5〜1.5%であることを考えると、数字だけ見れば圧倒的です。ただし、先述の通り年会費・為替手数料・税金コストを差し引いた「実質還元率」で判断する必要があります。

「最大8%」という数字はあくまでも額面上の話。日本で使う場合は為替手数料を差し引いた実質還元率で判断してください。

他の仮想通貨デビットカードとの比較が気になる方はこちらの記事もどうぞ。

JPYCを使ったチャージ方法と注意点

Triaカードに日本円をチャージするには、JPYCという日本円ステーブルコインを経由する方法が一般的です。手順としてはやや複雑ですが、国内からの入金手段としては現状これが最もスタンダードです。

JPYCチャージの全手順

STEP
JPYC EXでアカウントを作成する

JPYC EXの公式サイトからアカウントを作成し、本人確認を完了させます。ウォレットアドレスの登録も必要です。

STEP
銀行振込でJPYCを発行する

日本の銀行口座から日本円を振り込み、JPYCを発行します。ネットワークはPolygonを選択するのがおすすめです。手数料が安く、処理が速いためです。

STEP
MetaMaskにPOLを少量準備する

JPYCをTriaウォレットに送金する際のガス代として、MetaMaskにPolygonネットワークのPOL(旧MATIC)を少量入れておく必要があります。数十円〜数百円程度あれば十分です。

STEP
JPYCをTriaウォレットへ送金する

MetaMaskからTriaウォレットのアドレスにJPYCを送金します。Triaアプリでウォレットアドレスを確認できます。

STEP
Triaアプリでカードにチャージする

Triaアプリの「カード」タブから「チャージ」をタップし、ウォレット内のJPYCを選択してチャージ額を入力します。チャージ後、残高は米ドル基準で管理されます。

チャージ時に気をつけるべき3つの落とし穴

手順自体はそこまで難しくありませんが、初心者がつまずきやすいポイントが3つあります。

まず、ガス代としてPOLが必要であること。JPYCだけを用意しても、ガス代がなければ送金できません。取引所でPOLを購入し、MetaMaskに送っておく必要があります。ほんの数百円分ですが、この一手間を知らないと「送金できない」とパニックになります。

次に、Triaカードの残高は米ドル基準であること。JPYCでチャージしても、カード上ではドル換算されます。つまり、チャージした時点の為替レートと使う時点の為替レートに差があれば、それだけで損益が発生します。

最後に、チャージした資金はカードからウォレットに戻せないということ。一度カードにチャージしたら、使い切るか放置するしかありません。

初回は必ず少額(1,000〜3,000円程度)でテストチャージしてください。いきなり大金を入れるのは絶対にやめておきましょう。

なふと

JPYCの入金手順は慣れれば10分くらいで終わりますが、初回はウォレット設定やネットワーク追加も含めて30分〜1時間は見ておいた方がいいです。

Triaカードが向いている人と向いていない人

ここまでの内容を踏まえて、Triaカードの利用が向いているケースとそうでないケースを整理しておきます。

向いている人
向いていない人
  • 仮想通貨の含み益が大きく、一部を生活に使いたい
  • 海外旅行や海外通販をよく利用する(米ドル決済なら手数料0%)
  • ノンカストディアルで資産を自己管理したい
  • 確定申告に慣れていて、損益計算の手間を許容できる
  • 日本国内の決済がメインで、米ドル決済の機会がほぼない
  • 確定申告が面倒で、税金の損益計算に時間をかけたくない
  • 年間の仮想通貨決済額がシグネチャーの損益分岐点(約39万円)を下回る
  • メインの決済手段として1枚のカードに頼りたい

「仮想通貨を持っているからとりあえず作る」のではなく、年間の利用額と為替手数料、そして税金の手間を天秤にかけて判断してください。

よくある質問

Triaカードのデメリットは何ですか?

主なデメリットは、利用のたびに仮想通貨の譲渡所得として課税対象になること、日本円決済で約2%の為替手数料が発生すること、年会費が最低20ドルかかること、ATM手数料が3%+2ドルと割高なことです。

Triaカードの年会費はいくらですか?

バーチャルカードが20ドル(約3,000円)、シグネチャーカードが90ドル(約13,500円)、プレミアムカードが225ドル(約33,750円)です。年会費は1年分の前払いで、途中解約の返金はありません。

Triaカードで支払うと税金はかかりますか?

はい、かかります。仮想通貨での支払いは「譲渡」として扱われ、取得価額と時価の差額が課税対象です。雑所得として総合課税(最大55%)が適用されます。年間の利益が20万円を超える場合は確定申告が必要です。

Triaカードは日本のどの店で使えますか?

Visa加盟店であれば基本的に利用可能です。コンビニ、レストラン、オンラインストアなどで使えます。ただし、海外発行カードとして扱われるため、一部の国内店舗やサービスでは拒否される場合があります。

Triaカードの手数料はどのくらいですか?

米ドル決済は手数料0%です。日本円など他通貨での決済時は、Visa為替手数料として約1%が発生します(最大3%になるケースもあります)。ATM出金は引き出し額の3%+2ドルです。

Triaカードのプロモコードはありますか?

はい、新規登録時にプロモコード(紹介コード)を入力することで、キャッシュバックボーナスなどの特典を受けられる場合があります。SNSやブログで最新のコードを確認してください。

Triaカードのキャッシュバックはいつもらえますか?

キャッシュバックは決済直後ではなく、TRIAトークンの生成イベント後、約3ヶ月後に付与されます。2026年2月以降、キャッシュバックはUSDTまたはUSDCで支払われる仕様に変更されました。

Triaカードの発行会社はどこですか?

Triaカードの運営はThreely Dimensions Inc.(ニューヨーク、2022年設立)で、カードの発行元はNimbus, LLCとされています。共同創設者はVijit Katta氏とParth Bhalla氏です。

まとめ

Triaカードは、仮想通貨を日常の買い物に使えるという点では非常に画期的なサービスです。ノンカストディアルの安全性、最大8%の還元率、Apple Pay対応と、スペックだけ見れば魅力的に見えます。

しかし、日本で使う場合に限って言えば、コスト面での落とし穴がかなり多いのが現実です。

  • 仮想通貨での支払いは「譲渡」扱いで、利用のたびに課税対象になる
  • 日本円決済には約1%の為替手数料が発生し、バーチャルカードは実質還元率がわずか0.5%
  • ATM出金は3%+2ドルで、日常的な利用には不向き
  • 年会費の元を取るには、シグネチャーで年間約39万円・プレミアムで約68万円以上の利用が必要
  • ラウンジ利用は有料、キャッシュバック付与は約3ヶ月後
  • JPYCチャージはガス代(POL)が必要で、チャージ後の払い戻しは不可

「最大6%キャッシュバック」や「1,000種類以上の仮想通貨対応」といった目を引く数字の裏には、為替手数料・税金・年会費という3つのコストが隠れています。

なふと

個人的には、米ドル圏での利用頻度が高い人や、仮想通貨の含み益を少しずつ生活費に充てたい人にはアリだと思います。ただ、日本国内だけで使うなら、コストをしっかり計算してからの方がいいです。

Triaカードは「誰にでもお得なカード」ではありません。自分の利用スタイルに合うかどうかを、この記事の数字で判断してみてください。

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