「ビットコインはデジタルゴールドだ」と言われることがありますが、金そのものと連動する仮想通貨があることをご存知でしょうか。
それがPAXG(パックスゴールド)です。1トークンが実物の金1トロイオンスと1対1で連動しており、仮想通貨でありながら金の価格に連動する、ちょっと変わった資産です。
この記事では、PAXGの仕組みから実物の金投資との違い、メリット・デメリット、日本からの買い方までを一通り解説します。
なふと個人的に「仮想通貨で金を持てる」というコンセプトはかなり面白いと思っています。ただし万人向けではないので、向いている人とそうでない人もハッキリ分かれます。
PAXGとは何か
金1オンスと1:1で連動するERC-20トークン
PAXGは、Paxos Trust Companyが発行する金連動型の仮想通貨です。1 PAXGトークンは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が認定する金庫に保管された実物の金1トロイオンス(約31.1グラム)と1対1で裏付けられています。
つまり、PAXGを1枚持っているということは、金庫に保管された約31グラムの金塊の所有権を持っていることになります。しかも、各トークンは特定の金塊のシリアル番号と紐付けられており、Paxosのツールで自分が所有している金塊の重量・純度・保管場所を確認できます。
PAXGは「仮想通貨の便利さ」と「金の安定性」を組み合わせた、RWA(実物資産のトークン化)の代表格です。
Paxos社が発行し、NYDFSの規制下にある
発行元のPaxos Trust Companyは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制を受けた信託会社です。金の準備金はKPMGなどの第三者監査機関による定期監査を受けており、1:1の裏付けが維持されていることが公開されています。
仮想通貨プロジェクトの中には裏付け資産が不透明なものも多いですが、PAXGは規制・監査の両面で高い透明性を持っています。
PAXGと実物の金投資を比較する
「金に投資するなら実物を買えばいいのでは?」という疑問は当然です。ここでは、PAXGと実物の金投資(金地金・金ETF)を具体的に比較します。
4つの指標で比較
| 項目 | PAXG | 金地金(現物) | 金ETF |
|---|---|---|---|
| 最小投資額 | 数百円〜 | 数十万円〜 | 数千円〜 |
| 保管コスト | 無料 | 貸金庫代など | 信託報酬あり |
| 取引時間 | 24時間365日 | 店舗営業時間 | 証券取引所の営業時間 |
| 流動性 | 高い | 低い(売却に時間) | 高い |
| カウンターパーティリスク | あり(Paxos社) | なし | あり(運用会社) |
| DeFi活用 | 可能 | 不可 | 不可 |
PAXGならではの強み
PAXGの最大の強みは、金の価値を持ちながら仮想通貨の機能を使える点です。
たとえば、DeFiプロトコルに預けて利回りを得たり、他のウォレットに数分で送金したり、24時間いつでも売買できたりします。金地金を深夜3時に売ることはできませんが、PAXGならできます。
また、保管手数料がゼロという点も見逃せません。実物の金を保管するには貸金庫や保険が必要ですが、PAXGならウォレットに置いておくだけで追加コストは発生しません。
実物の金が勝る点
一方で、実物の金にはカウンターパーティリスクがないという圧倒的な強みがあります。PAXGはPaxos社が健全に運営されることが前提です。仮にPaxos社が破綻した場合、金の償還がどうなるかは不透明です。
また、金地金は数千年の歴史を持つ「究極の安全資産」です。PAXGはまだ2019年に誕生したばかりで、長期的な信頼性は金地金に到底及びません。
なふと「有事の金」として資産を守りたいなら実物の金の方が安心です。でも「仮想通貨のポートフォリオに金のエクスポージャーを加えたい」という目的なら、PAXGはかなり優秀だと思います。
PAXGは「金の代替品」ではなく、「仮想通貨ポートフォリオの中で金的な役割を果たすツール」として考えた方が使い方が見えてきます。
PAXGのメリットとデメリット
ここまでの内容を整理して、メリットとデメリットをまとめます。
最大のメリットは「仮想通貨の利便性で金を保有できること」、最大のデメリットは「発行者リスクがある以上、純粋な金投資の代替にはならないこと」です。
PAXGの買い方(日本から)
2026年2月時点で、PAXGは日本の国内取引所では取り扱いがありません。購入するには海外取引所を経由する必要があります。
海外取引所で購入するルート
- 国内取引所(Coincheck、bitFlyerなど)でBTCまたはXRPを購入する
- 海外取引所(Binance、MEXCなど)に口座を開設し、KYCを完了する
- 国内取引所から海外取引所に仮想通貨を送金する
- 送金した仮想通貨をUSDTに変換し、PAXG/USDTペアで購入する
送金にはXRP(リップル)を使うと手数料が安く済みます。ビットコインだと送金手数料が数千円かかりますが、XRPなら数十円程度です。
購入後はそのまま取引所に保管しても良いですが、長期保有するならMetaMaskのようなイーサリアム対応のウォレットに送金する方が安全です。
なふと海外取引所を使う手順が面倒に感じるかもしれませんが、一度やれば2回目からは5分で終わります。僕もMEXCを使っていますが、操作はシンプルです。
少額投資の始め方についてはこちらの記事でも解説しています。
国内で買える代替品「ジパングコイン(ZPG)」との違い
「海外取引所は使いたくない」という人には、ジパングコイン(ZPG)という選択肢もあります。三井物産デジタルコモディティーズが発行する金連動トークンで、SBI VCトレードやBitTradeなどの国内取引所で購入できます。
| 項目 | PAXG | ジパングコイン(ZPG) |
|---|---|---|
| 発行者 | Paxos Trust(米国) | 三井物産デジタルコモディティーズ |
| 裏付け | LBMA認定金庫の実物金 | 金現物を担保(1ZPG=金1グラム) |
| 国内取引所 | ×(海外のみ) | ○(SBI VCトレード等) |
| DeFi活用 | ○ | × |
| 実物金への償還 | ○(条件あり) | × |
手軽さを重視するならZPG、DeFi活用や実物金との直接的な裏付けを重視するならPAXG、と使い分けるのが合理的です。
「国内取引所で完結させたい」ならジパングコイン、「本格的に金トークンを活用したい」ならPAXGが適しています。
よくある質問
仮想通貨の暴落をチャンスに変える考え方はこちらの記事で解説しています。

まとめ
PAXGは、仮想通貨と金投資の中間に位置する面白い資産です。
- 金1オンスと1:1連動。NYDFS規制下で監査済み
- 保管手数料ゼロ、24時間取引、少額から購入可能
- 実物の金と違い、発行者リスクがある点に注意
- 国内取引所では買えない。海外取引所経由が必要
- 国内で完結させたいならジパングコイン(ZPG)も選択肢
なふと仮想通貨のポートフォリオに「値動きの性質が違う資産」を1つ入れておくのは、リスク管理としてかなり合理的です。PAXGはその役割にぴったりだと思っています。
PAXGは「仮想通貨しか持っていない人が、仮想通貨の仕組みのまま金に分散投資できる」という価値を提供してくれます。金投資に興味があるなら、選択肢の一つとして知っておいて損はありません。


