メタバースって話題だけど、結局今後どうなるの?
2021年に旧Facebook社が「Meta」に社名変更したことを皮切りに、急速に世界的なバズワードとなったメタバース。
メタバースは今後必ず市場規模が拡大する3つの理由
まず、なぜ今こんなにも世界中でメタバースが注目されていて、今後市場規模が拡大していくと言い切れるのか、その3つの理由について解説していきます。
VRや5Gのようなテクノロジーの発展
- VR・AR
- 5G
- AI
インターネットの進化と並行して、VRやARのような技術が急速に発展しています。このような技術が発展することで、メタバース上でもまるで現実世界にいるかのような体験をすることが可能になります。
ただそのような高度な技術を活用するとなるとその分莫大なデータ通信量が必要なわけですが、これも5Gの普及によってデータ通信が高速化することでカバーされます。
また、ここ最近発展のスピードが凄まじいAIの進歩も、メタバースの発展に大きく貢献するでしょう。なぜなら、「メタバースのワールドを作れる人材が足りない」という問題点を、生成AIがカバーしてくれるからです。
コロナ禍によるリモートワークの普及
コロナ禍の影響で、多くの企業や個人がリモートワークを導入するようになりました。その中でリモートコミュニケーションの重要性が増しており、メタバース内でのビジネス活動やコミュニケーションも多く見られるようになりました。
ZoomやSlackって、正直使いにくいですよね。顔しか見えないですし、同じ空間にいる感覚がしない。これらはどう考えても、メタバースに集約しちゃうのが合理的なんです。
僕たちが普段使っているSNSも、言ってしまえばメタバースの「下位互換」でしかないと僕は思ってます。
Facebook社が「Meta」に社名変更した事件
2021年10月にFacebook社が「Meta」という名前に社名を変更した事件は、世界中のテック企業に大きな影響を与えました。
GAFAの一端を担うFacebook社がわざわざ社名を変更するということは、それだけメタバースに対する強いコミットメントがあったということです。
あの天下のFacebook社がメタバースに本気になるなら、さすがに自社もやっていかないと!って他の企業がどんどん追随していったわけです。
メタバースの市場規模と今後の予測
続いて、メタバースの市場規模と今後の予測について詳しく見ていきます。
今後の市場規模の拡大予測
2023年8月に矢野経済研究所が発表したレポートによると、メタバースの市場規模は2027年には2兆円に上ると予測されています。
2023年現在がおよそ3000億円ですから、実に7倍近いですね。ここまで急速に規模が拡大する市場はなかなかありません。
この辺りは色々な意見があると思いますが、個人的には長期的に見ると、メタバースが普及しない理由が考えられないんですよね。
メタバースの今後の3つのフェーズ
メタバースの成長の過程は、大きく以下の3つのフェーズに分けられると考えられます。
現在は、まさにメタバースの黎明期です。技術の基盤が整いつつあり、成功例も少しずつ出始めています。ただ、一般的な認知度はまだまだ低く、多くの人々が参加するまでには至っていません。
黎明期を抜けて普及期に入ると、メタバースが一般に広く認知され、多くの人々が活用するようになります。企業も本格的に参入し、市場規模は急速に拡大すると予測されます。
2030年以降には、メタバースが一部の層だけでなく、広い層に普及し定着します。メタバース内でのビジネスやコミュニケーションが日常的に行われるようになり、メタバースが今のSNSのように生活の中で欠かせない存在になります。
ビジネスの世界は、「黎明期」から着実に活動をしていた企業や個人が後に大きなリターンを得られるようにできています。
人気のメタバースプラットフォームと大企業の動向
続いては、メタバース関連の主要なプラットフォームと、それに追随する国内外のテック系大手企業の動向について見ていきます。
人気のメタバースプラットフォーム
- Roblox
- Fortnite
- VRChat
Robloxは、特に若者に人気のあるメタバースプラットフォームです。ゲーム開発だけでなく、教育やコミュニケーションの場としても使用されています。
Fortniteはもともとバトルロワイヤルゲームでしたが、次第にメタバースとしての側面を強化しています。ライブやイベントをバーチャル上で開催することも頻繁にあります。
人気のメタバースプラットフォームについては別記事で詳しく解説しているので、合わせてどうぞ。
大企業が続々とメタバースに参入?
Facebookは、メタバースをリードする企業の一つです。2021年に社名を「Meta」に変更し、メタバースに全力で取り組む意志を示しました。Meta QuestのようなVRデバイスも提供しています。
あのGoogleもメタバース市場に参入し、検索エンジンやマップサービスを仮想空間に展開しています。また、Microsoftは「Mesh」という名前で、独自のバーチャルオフィスを開発中です。
日本企業では、SonyがVRデバイス「PlayStation VR」を通じてメタバースに参入しています。また、LINEやDeNAも独自の仮想空間を提供しており、国内外を問わず多くの企業が参入しています。
はっきり言って、これが答えだと思います。異次元レベルで頭が良い人たちがこぞってメタバースに参入しているのに、僕たち個人がそれを信じないのはかなり微妙ですね。
メタバースの具体的な活用事例
では実際に、メタバースがどういった場面で活用されているのか見ていきましょう。
既にビジネス、エンターテインメント、教育など、現実世界で行われている活動の多くがメタバースでも展開されています。
オフィスやEC事業
まずは、ビジネスの世界です。企業はメタバース内でバーチャルオフィスを構築し、従業員がリモートで働く場として使用しています。これにより、リモートワークが一層効率的に行えます。
さらに、EC事業でもメタバースを活用しています。バーチャル上のショッピングモールで実際に商品を見ることができ、ユーザーが仮想空間内でアイテムを試着して購入することも可能です。
ゲームとエンターテインメント
ゲーム業界にもメタバースの波が押し寄せています。FortniteやRobloxといったゲームは、単なるゲームを超えて、ライブやイベントが開催される社会的なプラットフォームになっています。
特に有名なのは、2020年にFortniteで行われた米津玄師のオンラインライブですね。
医療や教育の取り組み
医療や教育の場でも、メタバースは活用され始めています。遠隔地にいる患者と医師がバーチャル空間で対話し、診察を行うことができます。
また、教育でもメタバースが利用されています。メタバース上のキャンパスでの授業や研究活動が行われ、物理的な距離を越えて質の高い教育を受けられるようになっています。
メタバースの未来への課題と展望
メタバースの多様な分野での利用が増える一方で、今後一般にもメタバースが普及させるためには、いくつか超えるべき課題があります。
VR機器の普及とデバイスの進化
VR機器が一般的になっていくためには、価格の安さや使いやすさが求められます。現段階ではVRゴーグルは高価であり、すべての人が手に入れられるわけではありません。
また、デバイスの小型化や軽量化、長時間の使用でも負担が少ないような設計が必要です。これにより、より多くの人々がメタバースを気軽に楽しめるようになります。
ヒットコンテンツの登場
メタバースが一般的に受け入れられるためには、何らかのヒットコンテンツが必要です。
例えば、一つの大きなイベントや人気のゲーム、話題のサービスなどがメタバース内で提供されることで、一気に注目が集まる可能性があります。
大手Vtuber事務所ホロライブでは、自社が開発しているメタバース上で所属タレントによる音楽ライブを開催しています。ホロライブほどのビッグコンテンツでメタバースによる成功例が出てくれば、メタバースの普及にも大きく貢献するでしょう。
メタバース内の法律やルールの整備
現実世界と同様に、メタバース内でも社会的なルールや法的な整備が必要です。財産権、プライバシー、犯罪に対するルールなど、多くの法的課題があります。
これらが未整備のままでは、利用者が安心してメタバースを利用することはできません。国際的な協力も必要で、そのための枠組み作りが進行中です。
まとめ
メタバースは、今やテクノロジーから社会まで多方面に影響を与えている市場です。この動きを早い段階から理解し、適切に対応することが、次のビジネスチャンスをつかむカギとなるでしょう。
今後のメタバースの展開がどう影響を与えるか、引き続き注目しつつ、勉強していくことが重要です