エンジンコインは終わったのか?将来性と国内取引所の縮小が意味すること

エンジンコイン(ENJ)は、2021年のNFTブームで一時大きな注目を集めました。ゲーム×ブロックチェーンの可能性を示すプロジェクトとして、多くの投資家が期待を寄せていました。

しかし、現在の価格はピーク時から大幅に下落し、一部の国内取引所では取り扱いが終了。「エンジンコインはもう終わったのでは?」という声が増えています。

この記事では、エンジンコインが本当に「終わった」のかどうかを、ポジティブ材料とネガティブ材料の両面から正直に検証します。

目次

エンジンコイン(ENJ)は終わったのか

結論から先に述べます。エンジンコインの現状と、なぜ「終わった」と言われているのかを整理しましょう。

結論から言うと、終わってはいないが険しい道

エンジンコインのプロジェクト自体は「終わって」いません。開発チームは活動を継続しており、2025年には独自ブロックチェーンへの移行を完了し、Bugisアップグレードによるネットワーク強化も実施しています。

ただし、「かつての勢いを取り戻せるか」は別の問題です。NFT・GameFi市場の低迷、国内取引所での上場廃止、強力な競合の台頭と、逆風が3つ重なっている状況です。

プロジェクトは生きている。だが「生きている」と「成長する」は違う。この現実を踏まえた上で、将来性を判断する必要があります。

2021年のピークから大幅に下落している

エンジンコインの価格は、2021年11月に約4.8ドル(当時のレートで約500円超)の史上最高値を記録しました。NFTブームとメタバースへの期待が重なった結果です。

しかし、2026年2月現在の価格は0.02ドル前後。ピーク時から99%以上の下落です。

ピーク時に購入した多くの投資家が大きな含み損を抱えています。この事実を無視して「将来性あり」と断言する記事は信用できません。

なふと

正直、ピーク時から99%以上の下落は衝撃的な数字です。ただし、仮想通貨の世界ではこの規模の下落は珍しくない。2018年の仮想通貨バブル崩壊でも多くのアルトコインが同様の下落をしており、そこから復活した銘柄もあれば、消えた銘柄もある。問題は「エンジンコインがどちらに該当するか」です。

エンジンコインとは何だったのか

将来性を判断するためには、エンジンコインが何を目指しているプロジェクトなのかを正確に理解する必要があります。改めて、その本質を確認しておきましょう。

ゲーム内アイテムを資産にするプロジェクト

エンジンコインは、ゲーム内のアイテム(武器・スキン・キャラクターなど)をブロックチェーン上のNFTとして発行し、プレイヤーが本当の意味で「所有」できるようにするプロジェクトです。

従来のゲームでは、何十時間もかけて入手したレアアイテムも、運営がサービスを終了すれば消滅します。エンジンのプラットフォームを使えば、アイテムはブロックチェーン上に存在するため、ゲームが終了しても資産として残り、他のプレイヤーに売却することも可能です。

  • ゲーム内アイテムをNFTとして発行・管理するプラットフォーム
  • ENJトークンはNFTの「裏付け資産」として注入される(最低限の価値を保証)
  • 不要なNFTをENJに戻す「メルティング機能」でインフレを抑制
  • ゲーム開発者はブロックチェーンの知識がなくてもNFTを導入可能

暗号資産の歴史を変えた「ERC-1155」規格

エンジンの最大の功績のひとつが、ERC-1155というトークン規格の開発です。

従来は、代替可能なトークン(ERC-20)と非代替可能なトークン(ERC-721 = NFT)を別々のスマートコントラクトで管理する必要がありました。ERC-1155は、この両方を1つのコントラクトで扱えるようにした画期的な規格です。

ゲームでは何百種類ものアイテムを効率的に発行・管理する必要があるため、ERC-1155の登場は大きな革新でした。この規格はイーサリアムの公式標準として採用され、Enjin以外のプロジェクトにも広く利用されています。

なふと

ERC-1155を生み出したという実績は、エンジンが「技術力のあるプロジェクト」であることの証明です。ただし、技術的に優れていることと市場で勝てることは別の話。この先を読み進めて、その現実も見てください。

価格が低迷している3つの逆風

エンジンコインの将来性を語る上で、避けて通れないのがネガティブな現実です。ここでは、価格低迷の背景にある3つの逆風を正直に解説します。

国内取引所での取り扱い縮小

直近で最も大きなネガティブ材料が、国内取引所でのENJの取り扱い終了(上場廃止)です。SBI VCトレードやGMOコインなど、複数の主要取引所がENJの取り扱いを廃止する動きを見せています。

取引所が上場廃止を判断する理由はさまざまですが、一般的には「流動性の低さ」「取引量の減少」「プロジェクトの将来性への懸念」などが挙げられます。

国内取引所からの上場廃止は「そのコインの将来性に対する取引所の評価」とも読めます。これは無視できない警告サインです。

Web3ゲーム市場全体の冷え込み

エンジンコインの低迷はENJ固有の問題だけではありません。Web3ゲーム(GameFi)市場全体が、2021〜2022年のブームから大きく冷え込んでいます。

2025年にはGameFi分野へのベンチャー投資額も減少し、「ブロックチェーンゲームは面白くない」「Play to Earnは持続しない」という評価が定着しつつあります。エンジンがどれだけ良い技術を持っていても、市場全体が縮小している中では成長が難しい。

強力なライバルの台頭

エンジンがWeb3ゲームのインフラとして注目されていた2019〜2021年頃と比べて、競争環境は大きく変わりました。

Enjinの強み
Immutable Xの強み
  • ERC-1155の開発元としての実績
  • NFTにENJを裏付け資産として注入する独自の仕組み
  • 独自ブロックチェーンへの移行完了
  • ガス代ゼロのレイヤー2で大手ゲームスタジオとの提携多数
  • Gods Unchained、Guild of Guardiansなど実稼働タイトルが豊富
  • GameStop NFTやMarvel STRIKEの採用実績

Immutable Xは、ガス代ゼロのレイヤー2ソリューションとして、大手ゲームスタジオとの提携を次々と発表し、エンジンが得意としていたポジションを奪いつつあります。Polygon Gamingも同様に、ゲーム開発者向けのインフラを急速に拡充しています。

なふと

エンジンがERC-1155を作ったのは間違いなく偉大な功績だけど、「規格を作ったこと」と「市場で覇権を取ること」は別。後発のImmutable Xが大手ゲームとの連携では完全にリードしている印象です。

それでも残るポジティブな将来性

ここまでネガティブな材料を率直に書いてきましたが、エンジンコインにもポジティブな材料は存在します。バランスを取るために、こちらも正直に紹介します。

独自の「Enjin Blockchain」への完全移行

エンジンは2024〜2025年にかけて、ERC-20トークンとしてのENJから独自の「Enjin Blockchain(Enjin Relaychain + Matrixchain)」への完全移行を実施しました。

2025年のBugisアップグレードでは、Matrixchainのトランザクション速度が2倍になり、ブロック時間が6秒に短縮。トークンのグループ化やロイヤリティの複数受益者設定など、ゲーム開発者向けの実用的な機能も追加されています。

大型アップデート「Sentosa」と新キャンペーン

エンジンは次の大型アップデートとして「Sentosa」を進行中です。ネットワークの基盤強化とスケーラビリティの向上が目的とされています。

また、2026年2月にはクロスゲーム型のキャンペーン「Essence of the Elements」が開始されました。複数のゲームを横断するマルチバースの旅をテーマにしたこのキャンペーンは、NFTの鋳造とENJの利用を促進する1年間の取り組みです。

  • 独自ブロックチェーンへの完全移行が完了
  • Bugisアップグレードでトランザクション速度2倍、ブロック時間6秒に短縮
  • 次期大型アップデート「Sentosa」が進行中
  • 2026年2月に「Essence of the Elements」キャンペーン開始
  • アクティブバリデーターの上限を25→50に拡大予定

依然として強固な開発コミュニティ

価格は低迷していますが、エンジンの開発活動は停止していません。GitHubでのコード更新は継続しており、コミュニティのDiscordサーバーも活発に運営されています。

加えて、2026年にはクロスチェーン対応のHyperbridgeメインネット統合も計画されており、他のブロックチェーンとの相互運用性が向上する見込みです。

なふと

開発が続いているということは「プロジェクトは死んでいない」という証拠ではある。ただし、開発が続いていることと価格が上がることは、残念ながら直結しない。大事なのは「その開発がユーザーの増加に繋がっているか」で、今のところそこがまだ弱い。

今後の価格予想と投資判断

最後に、海外の主要な予想サイトが出しているENJの価格見通しと、個人投資家としての投資判断を整理します。

海外AI予想サイトの価格見通し

海外の暗号資産予想サイトでは、ENJの2026年の価格予想にかなりの幅があります。

予想サイト2026年の予想レンジ
CoinDataFlow$0.004 〜 $0.021
Gate.io$0.035 前後
CoinCodex$0.22 〜 $0.31
Coinpedia$0.08 〜 $0.24

予想が$0.004〜$0.31と約80倍もの差がある時点で、「誰にも分からない」というのが正直な答えです。

価格予想サイトの数字はあくまで統計モデルや市場トレンドに基づく「参考値」です。これを根拠に投資判断するのは危険。特定の予想を信じるのではなく、複数の材料を総合的に判断してください。

今から買うなら宝くじ枠として少額で

エンジンコインへの投資は、率直に言ってハイリスクです。ただし、以下の条件が重なった場合には、大きなリターンの可能性もゼロではありません。

  • Web3ゲーム市場が再び盛り上がる
  • EnjinプラットフォームがAAA級ゲームタイトルと提携する
  • 仮想通貨市場全体が次の強気相場に入る

逆に言えば、これらの条件が揃わなければ、現在の低迷が長期化する可能性も十分にあります。

エンジンコインを買うなら、「最悪ゼロになっても構わない金額」で。ポートフォリオの主力にするのは絶対に避けてください。

仮想通貨を少額から始める方法については、こちらの記事で解説しています。

なふと

エンジンコインへの投資は「ゲーム×NFTの未来に賭ける」ということ。その未来は来るかもしれないし、来ないかもしれない。だからこそ「宝くじ枠」という表現を使っています。メインの投資はビットコインやイーサリアムに置いて、余裕資金の中のさらに一部でENJを持つ、くらいの感覚が現実的です。

ウォレットでENJを自己管理する方法については、こちらの記事を参考にしてください。

よくある質問

エンジンコインは今から買っても遅くないですか?

価格がピーク時から99%以上下落しているため、「底値圏で拾える」という見方はできます。ただし、さらに下落するリスクも十分にあります。買うなら余裕資金の中の少額に留めてください。

エンジンコインはどこで買えますか?

国内ではbitFlyerやCoincheckなどで取り扱いがありますが、一部の取引所では上場廃止が進んでいます。購入前に最新の取り扱い状況を確認してください。海外取引所ではBinanceやKuCoinなどで取引可能です。

エンジンコインとImmutable Xの違いは何ですか?

どちらもゲーム×NFTに特化していますが、アプローチが異なります。エンジンはNFTにENJを裏付け資産として注入する独自の仕組みを持ち、Immutable Xはイーサリアムのレイヤー2でガス代ゼロの取引を実現しています。現時点では、大手ゲームとの提携数ではImmutable Xが優勢です。

ERC-1155とは何ですか?

エンジンが開発したトークン規格で、代替可能なトークン(通貨のようなもの)と非代替可能なトークン(NFT)の両方を1つのスマートコントラクトで管理できます。ゲーム内の大量のアイテムを効率的に発行できるため、ブロックチェーンゲーム開発に広く利用されています。

エンジンコインのメルティング機能とは何ですか?

エンジンプラットフォームで発行されたNFTに注入されたENJを、NFTを「溶かす」(バーンする)ことで取り戻せる機能です。不要なNFTをENJに戻すことでトークンの供給量が減り、理論的にはインフレ抑制に繋がります。

まとめ

エンジンコインは「終わった」わけではありませんが、かつての勢いを取り戻す道は険しいのが現実です。

  • プロジェクト自体は活動中。独自チェーン移行完了、Sentosaアップデート進行中
  • しかし、国内取引所の上場廃止・GameFi市場の低迷・競合の台頭という3つの逆風
  • ピーク時から99%以上の下落。この現実を直視した上で判断すべき
  • 投資するなら「最悪ゼロになっても構わない金額」で。ポートフォリオの主力にしてはいけない
  • Web3ゲーム市場の復活とEnjinプラットフォームの採用拡大が実現すれば、反転の可能性はある

「将来性あり」と断言するのは簡単ですが、この記事では正直に書きました。ポジティブな材料もネガティブな材料も、両方を知った上で判断してください。大事なのは、他人の予想を信じることではなく、自分でリスクを理解した上で投資額を決めることです。

なふと

仮想通貨の世界では「終わった」と言われてから復活した銘柄もあれば、本当にそのまま消えた銘柄もあります。エンジンコインがどちらに転ぶかは、正直誰にも分からない。だからこそ、「分からないなりの賭け方」が大事だと思っています。

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