仮想通貨の税金対策7選!会社員でもできる節税術と2026年税制改正の最新動向

「仮想通貨で100万円の利益が出た!」——喜んだのも束の間、確定申告のシミュレーションをして顔が青ざめた経験はありませんか?

日本では、仮想通貨の利益は「雑所得」として最大55%の税率が適用されます。100万円儲けても、手元に残るのは45万円。株式投資なら約80万円残るのに、です。この理不尽さに怒りを覚える人は少なくないでしょう。

しかし、合法的に税負担を減らす方法は複数あります。 しかも、そのほとんどは会社員でも今日から実践できるものばかりです。

この記事では、仮想通貨投資家が知っておくべき節税テクニック7つと、2026年の税制改正の最新動向をまとめました。知っているかどうかで、手元に残る金額が大きく変わります。

目次

なぜ仮想通貨の税金は「異常に高い」のか

仮想通貨の税金が高いと言われる最大の理由は、課税方式の違いにあります。株式投資の利益には「申告分離課税」が適用され、いくら儲けても税率は一律20.315%です。ところが仮想通貨の利益は「雑所得」に分類され、給与所得などと合算された上で累進課税されます。年収が高い人ほど税率が上がり、最大で所得税45%+住民税10%=55%に達します。

株式投資と仮想通貨の税制比較

比較項目仮想通貨株式投資
税区分雑所得(総合課税)申告分離課税
税率15〜55%一律20.315%
損失繰越不可3年間可能
損益通算雑所得内のみ株・投信と通算可

なぜこれほど不公平な状態が続いているのか。端的に言えば、法整備が仮想通貨の成長速度に追いついていないからです。株式投資の税制は何十年もかけて整備されてきましたが、仮想通貨は歴史が浅く、まだ「投資商品」としての法的位置づけが確立していません。ただし、この状況は変わりつつあります。2026年の税制改正の動きについては、この記事の後半で詳しく解説します。

会社員でもできる節税テクニック7選

ここからが本題です。税金の仕組みに不満を言っていても手元のお金は増えません。合法的に、かつ会社員でもすぐに実践できる7つの対策を紹介します。

① 含み損銘柄の年末売却で利益を圧縮する

年末が近づいたら、ポートフォリオの中に「含み損」を抱えた銘柄がないか確認してください。もしあれば、それを売却して損失を確定させることで、その年の利益と相殺できます。これを「損出し」と呼びます。

たとえば、ビットコインで100万円の利益が出ている一方、イーサリアムで30万円の含み損がある場合。年末にイーサリアムを売却すれば、課税対象は100万円ではなく70万円になります。

株式投資とは異なり、仮想通貨には「ウォッシュセール」規制がありません。売却した直後に同じ銘柄を買い戻しても、税務上の問題はないのです。

つまり、含み損を確定させるためだけに売って、すぐ買い戻す。これだけで課税額を減らせます。

② 経費にできるものを漏れなく計上する

意外と知られていませんが、仮想通貨取引に関連する支出は経費として計上できます。経費が増えれば、その分だけ課税所得が減ります。

  • 取引手数料・出金手数料 取引所で発生するすべての手数料
  • PC・スマホの購入費 取引に使用している場合、使用割合に応じて按分計上
  • 通信費(インターネット回線) 取引に使用している割合に応じて按分計上
  • 書籍・セミナー・有料メルマガ 仮想通貨投資に関連するもの
  • 損益計算ツールの利用料 CryptactやGtaxなどの有料プラン

ポイントは「按分」です。プライベートと兼用のPCやスマホは、仮想通貨取引に使っている割合(たとえば30%)だけを経費にできます。100%計上すると税務調査でツッコまれるので注意してください。

③ 利益確定のタイミングを年単位で分散する

日本の所得税は累進課税なので、1年に利益を集中させるほど税率が跳ね上がります。 たとえば年間利益が300万円なら税率は約30%ですが、2年に分けて150万円ずつにすれば約20%で済む場合があります。

「年末に利確したいけど、来年まで待てる余裕がある」——そんな場面では、売却の一部を翌年に先送りするだけで数万円〜数十万円の節税になります。ただし、これは「税金を減らすために価格変動リスクを取る」行為でもあるので、価格が大きく下がりそうな局面では無理に先送りする必要はありません。

④ ふるさと納税とiDeCoを最大限活用する

仮想通貨で利益が出ると、その分だけ課税所得が増えます。見方を変えれば、ふるさと納税の上限額も上がるということです。普段は上限3万円だった人が、仮想通貨の利益によって上限5万円になるケースも珍しくありません。

iDeCo(個人型確定拠出年金)も強力です。掛け金が全額所得控除されるため、会社員なら月額23,000円(年間276,000円)を課税所得から差し引けます。仮想通貨の節税だけでなく、老後資金の準備にもなる一石二鳥の制度です。

⑤ 20万円ルールを正しく理解する

給与所得者(会社員)は、仮想通貨を含む給与以外の所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。ただし、ここには3つの落とし穴があります。

  • 住民税の申告は必要 所得税は不要でも、住民税は別途申告が必要です。これを忘れる人が非常に多い
  • 確定申告をする場合は全額申告 医療費控除やふるさと納税のための確定申告をする場合、20万円以下の利益も申告しなければなりません
  • 「20万円以下に抑える」戦略 年末に利益が20万円を少し超えそうなら、含み損銘柄の損出し(対策①)で利益を20万円以下に調整するのも手です

⑥ 家族への贈与を活用する

日本では、年間110万円までの贈与は非課税です。これを利用して、仮想通貨を配偶者や子供に贈与し、受け取った側がそれぞれの名義で売却すれば、売却益は贈与を受けた人の所得として申告されます。

たとえば、あなたが仮想通貨で300万円の利益を抱えている場合。配偶者と子供にそれぞれ110万円分を贈与すれば、あなた自身の課税対象は80万円まで圧縮できます。家族の所得が低ければ、適用される税率も低くなります。

ただし、名義だけ移して実質的な管理をあなたが続けている場合は「名義預金」とみなされ、贈与が認められないリスクがあります。贈与契約書を作成し、受贈者が自分で管理・売却することが大前提です。

⑦ 損益計算ツールを導入する

ここまでの6つの対策をすべて実行するには、正確な損益計算が不可欠です。手作業で計算するのは現実的ではありません。複数の取引所を使っていたり、DeFiやNFTの取引がある場合はなおさらです。

ツール名無料プラン有料プラン(年額)対応取引所数
Cryptact年間50件まで8,800円〜90以上
クリプトリンク制限あり11,000円〜70以上
Gtax年間100件まで8,250円〜70以上

損益計算ツールの利用料金は、それ自体が経費として計上できます。ツール代で8,800円を払っても、正確な損益計算によって数万円〜数十万円の節税ができれば安いものです。

利益額別アクションプラン

「7つも対策があっても、全部やるのは面倒…」という気持ちは理解できます。そこで、利益額に応じて「まず何をすべきか」を整理しました。

利益50万円以下なら最低限の対策でOK

利益が50万円以下であれば、税率はそこまで高くなりません。年収500万円の会社員なら、50万円の仮想通貨利益に対する実効税率は約20〜30%程度です。

この段階でやるべきことは「経費の計上」と「ふるさと納税」の2つだけです。損益計算ツールの無料プランで取引履歴を整理し、経費を漏れなく計上すれば十分。確定申告も自分で対応できるレベルです。

利益100〜300万円なら7つの対策をフル活用

この利益帯になると、累進課税の影響が顕著になります。何も対策をしなければ、利益の30〜40%が税金で消えるゾーンです。

損出し、利益の分散利確、iDeCo、ふるさと納税、家族への贈与——使えるカードをすべて切る段階に入ります。また、確定申告に不安があれば、税理士への相談も現実的な選択肢です。仮想通貨に強い税理士への相談費用は5〜15万円程度ですが、これも経費として計上できます。

利益300万円以上なら法人化を検討すべき

年間利益が安定的に300万円を超えるなら、法人を設立して仮想通貨取引を行うことで税負担を大幅に圧縮できます。

比較項目個人(雑所得)法人
税率最大55%実効税率 約23〜30%
損失繰越不可10年間可能
経費の範囲限定的広範(役員報酬・社会保険など)
設立コストなし約20〜30万円
維持コストなし年間50〜100万円(税理士・決算費用)

法人化は万能ではありません。設立と維持にコストがかかるため、年間利益が一時的に300万円を超えただけでは元が取れない可能性があります。「安定的に300万円以上の利益が見込める」という見通しが立ってから検討しても遅くありません。

2026年税制改正の最新動向

ここまで現行制度の対策を解説してきましたが、この「最大55%」という状況は近い将来変わる可能性があります。

金融庁は令和8年度(2026年度)の税制改正要望に、暗号資産の課税方式の見直しを盛り込みました。具体的には、株式投資と同じ「申告分離課税(一律20.315%)」への移行と、損失の繰越控除(3年間)の導入が検討されています。

この改正が実現すれば、仮想通貨投資の税制は劇的に改善されます。ただし、2026年2月時点では与党の税制調査会での議論段階であり、いつ施行されるかは確定していません。早ければ2027年、遅ければ2028年以降になる可能性もあります。

「待つべきか、今動くべきか」の判断基準

税制改正を待つべきか、今すぐ対策すべきか。この判断は利益額によって変わります。

  • 利益が小さい(50万円以下) 現行制度でも税負担は大きくないため、改正を待ってもよい
  • 利益が大きい(100万円以上) 改正がいつになるか不透明なので、この記事の7つの対策を今すぐ始めるべき
  • 法人化を検討中 改正が実現すれば個人のまま20.315%で済むため、法人化のメリットは薄れる。急がず様子を見るのが得策

よくある質問

仮想通貨の利益が20万円以下なら本当に申告不要ですか

所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。お住まいの市区町村の窓口で「住民税の申告」を行ってください。また、医療費控除やふるさと納税のために確定申告をする場合は、20万円以下の仮想通貨の利益も含めて申告する義務があります。

経費として認められるものは具体的に何がありますか

取引手数料、出金手数料、取引に使うPC・スマホの購入費(按分)、通信費(按分)、仮想通貨関連の書籍・セミナー代、損益計算ツールの利用料などが経費として計上できます。ポイントは「仮想通貨取引との関連性を明確に説明できるかどうか」です。

法人化するとどれくらい節税できますか

年間利益が500万円の場合、個人では約150〜200万円の税金がかかりますが、法人なら約115〜150万円程度に圧縮できます。ただし、法人の設立費用(約20〜30万円)と年間の維持費用(税理士費用など50〜100万円)を差し引くと、年間利益300万円以上が損益分岐点の目安です。

仮想通貨の税制改正はいつから施行されますか

2026年2月時点では未確定です。金融庁が令和8年度の税制改正要望に盛り込んでおり、与党の税制調査会で議論が進んでいます。早ければ2027年1月、遅ければ2028年以降の施行が見込まれています。確定情報は毎年12月に発表される「与党税制改正大綱」をチェックしてください。

海外取引所を使えば税金を逃れられますか

絶対に逃れられません。日本の税法では、日本居住者は全世界所得に対して課税されます。海外取引所を使っていても、利益が出れば日本で申告・納税する義務があります。税務署は海外取引所に対しても情報提供を求める仕組み(CRS:共通報告基準)を整えており、「バレないだろう」は通用しません。

含み益がある状態でも税金はかかりますか

いいえ、含み益の段階では課税されません。仮想通貨の利益に税金がかかるのは「売却」「他の通貨との交換」「商品やサービスの決済に使用」した時点です。保有しているだけであれば、いくら含み益があっても税金は発生しません。

まとめ

仮想通貨の税金は確かに高いですが、「何もしないで全額払う」のと「知識を使って合法的に減らす」のとでは、手元に残る金額が大きく変わります。

  • 今日からできること 経費の洗い出しと、ふるさと納税の上限額チェック
  • 年末までにやること 含み損銘柄の損出しと、利益確定タイミングの分散計画
  • 長期的に検討すべきこと iDeCoの開始と、利益300万円超なら法人化の検討

税金の知識は、仮想通貨投資における「もう一つのリターン」です。利益を最大化するだけでなく、税金を最小化する。この両輪を回すことが、賢い投資家への第一歩です。

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