仮想通貨の確定申告で一番面倒なのは、損益計算です。
取引所が1つだけで、売買も数回しかしていないなら手計算でもどうにかなります。でも取引所が2つ以上になったり、年間の取引件数が100件を超えてきたりすると、Excelに手入力するだけで日が暮れます。
この記事では、仮想通貨の損益計算アプリとして国内で使われているCryptact(クリプタクト)、Gtax(ジータックス)、クリプトリンクの3つを、無料枠の上限・料金・対応範囲から比較します。
どのアプリが自分の取引スタイルに合うか、この記事を読めば判断できます。
損益計算アプリは何をやってくれるのか
ひとことで言えば、取引所からダウンロードしたCSVファイルをアップロードするだけで、年間の損益を自動計算してくれるサービスです。
CSVを取り込むだけで年間損益が出る
やることはシンプルです。取引所の管理画面から取引履歴のCSVをダウンロードし、アプリにアップロードする。それだけで、1年間の売買を自動で突合して損益レポートを出してくれます。
手作業でやると「いつ・いくらで・何を買って、いつ・いくらで売ったか」を1件ずつ照合する必要があります。取引所が1つならまだしも、CoincheckとGMOコインとbitbankを併用していたりすると、取引所間の送金も含めて追いかける必要があり、現実的ではありません。
なふと取引件数が年間で数十件を超えてくると、手動計算は「やろうと思えばできる」のレベルから「間違えずにやり切るのが難しい」に変わります。
移動平均法と総平均法、計算方式も選べる
仮想通貨の損益計算には移動平均法と総平均法の2つの方式があります。どちらを選ぶかで損益の金額が変わることもあるため、両方でシミュレーションできるのは大きなメリットです。
主要な損益計算アプリはどれも両方の方式に対応しているので、確定申告の前に両方で試算してから届出するのが安全です。
Cryptact・Gtax・クリプトリンクの料金と無料枠を並べてみた
国内で個人投資家が使っている損益計算アプリは、大きくこの3つに絞られます。それぞれ無料枠の制限や料金体系が違うので、まずは数字で並べます。
Cryptact(クリプタクト)は国内利用者15万人超の最大手
Cryptactは国内で最も利用者の多い損益計算サービスです。155の取引所と26,000銘柄以上に対応しており、マイナーなアルトコインの取引が多い人でも対応できる可能性が高いのが強みです。
無料プランは年間50件まで。有料プランは年額6,600円(お試しプラン)から220,000円(アドバンスプラン)まで幅があり、取引件数や必要な機能に応じて選ぶ形です。DeFi取引の計算にも対応しています。
Gtax(ジータックス)は年100件まで無料で試せる
Gtaxは株式会社Aerial Partnersが運営しており、税務の専門家が設計に関わっているサービスです。2024年12月にはスマホ版もリリースされ、PCがなくても損益計算ができるようになりました。
無料枠は年間100件まで。Cryptactの倍です。有料プランは年額5,500円から55,000円(税込)で、Cryptactに比べると低価格帯が充実しています。
クリプトリンクは個人なら完全無料
クリプトリンクは、個人利用なら取引件数の制限なし・完全無料で使える唯一のサービスです。法人版は年額19,800円(税込)の有料プランがあります。
DeFiやNFTの取引にも対応しており、損益計算に関する国内唯一の特許を保有しています。さらに、自分で計算するのが面倒な場合は計算代行サービスも利用できます。
3サービスの主な違いを表にまとめます。
| Cryptact | Gtax | クリプトリンク | |
|---|---|---|---|
| 無料枠 | 年間50件 | 年間100件 | 個人無制限 |
| 有料プラン | 年額6,600円〜 | 年額5,500円〜 | 法人のみ19,800円 |
| 対応取引所数 | 155 | 非公開 | 非公開 |
| DeFi対応 | あり | 限定的 | あり |
| スマホ対応 | なし | あり(2024年〜) | なし |
なふと無料枠だけを見るとクリプトリンクが圧倒的ですが、対応取引所の幅や操作性も選ぶときの大事なポイントです。
「年間の取引が50件以内かどうか」がまず最初の分岐点になります。
「自分に合うアプリ」は取引スタイルで決まる
どのアプリが「一番いい」という答えはありません。自分の取引スタイルに合うかどうかで決まります。
年間50件以下ならCryptactの無料枠で足りる
国内取引所を1〜2箇所だけ使っていて、現物の売買がメインという人は、年間の取引件数が50件に収まるケースが多いです。この場合、Cryptactの無料プランで損益計算は完結します。
Cryptactは対応取引所と銘柄数が圧倒的に多いので、「自分の取引所が対応していなかった」というリスクが一番低いです。
DeFiやNFTの取引があるならCryptactかクリプトリンク
DeFiのスワップやNFTの売買は、通常の取引所売買と計算ロジックが異なります。GtaxはDeFi対応が限定的なので、DeFi・NFTの取引がある場合はCryptactかクリプトリンクを選ぶのが無難です。
特にクリプトリンクは個人無料でDeFi対応もしているため、「DeFiの取引が少しあるけど有料プランには入りたくない」という場合に選択肢になります。
「まず無料で全部やりたい」ならクリプトリンク一択
お金をかけずに損益計算をしたいなら、個人完全無料のクリプトリンクが唯一の選択肢です。取引件数に上限がないので、年間で数百件の取引があっても追加費用はかかりません。
ただし、UIの洗練度やサポート体制では有料サービスのCryptact・Gtaxに分があります。操作に迷ったときのヘルプの充実度は、有料サービスのほうが手厚い傾向です。
迷ったら、まずクリプトリンクかCryptactの無料枠で試してみるのが一番確実です。
国税庁のExcelシートで足りるのか
「国税庁が無料のExcelを出しているらしい」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。実際に国税庁は「暗号資産の計算書」というExcelファイルを公式サイトで公開しています。移動平均法用と総平均法用の2種類があり、無料でダウンロードできます。
このExcelは取引データを1件ずつ手入力する形式です。取引件数が数十件程度で取引所も1つだけなら十分ですが、複数の取引所をまたいで年間100件以上の取引がある場合は、入力だけで相当な時間がかかります。
国税庁のExcelは「ツールを使うほどでもない人」向けの補助計算書であり、取引件数が多い人はアプリを使ったほうが圧倒的に速いです。
そもそも仮想通貨の利益にどれくらい税金がかかるのか気になる場合は、以下の記事で具体的な金額をシミュレーションしています。

取引データを取り込むまでの流れ
アプリを決めたら、あとは取引データを取り込んで損益レポートを生成するだけです。手順は2つしかありません。
取引所からCSVをダウンロードする
Coincheck、GMOコイン、bitbankなどの主要な国内取引所は、管理画面から取引履歴をCSV形式でダウンロードできます。海外取引所もBinanceやBybitなど大手はCSVエクスポートに対応しています。
アプリにアップロードして結果を確認する
ダウンロードしたCSVをアプリにアップロードすると、自動で売買の突合が行われ、年間の損益レポートが生成されます。この結果をもとに、確定申告書の「雑所得」欄に金額を転記します。
なふと複数の取引所を使っている場合は、すべてのCSVをアップロードする必要があります。1つでも漏れると損益が正しく計算されないので注意してください。
Coincheckの取引履歴ダウンロード方法については、以下の記事でスクリーンショット付きで解説しています。

CSVをダウンロードしてアプリにアップロードする。やることはこの2ステップだけです。
よくある質問
まとめ
仮想通貨の損益計算アプリ3つを比較してきました。最後に要点を振り返ります。
- 取引件数が増えると手動計算は現実的でない
- Cryptactは対応取引所155・銘柄26,000以上で対応範囲が最大。無料枠は年間50件
- Gtaxは無料枠が年間100件と広め。スマホ対応もあり
- クリプトリンクは個人完全無料の唯一のサービス。DeFi・NFTにも対応
- 国税庁のExcelは補助計算書であり、大量の取引には向かない
- まず無料枠で試して、足りなければ有料プランを検討するのが合理的
なふとどのアプリも無料で始められるので、確定申告の前に一度CSVを取り込んで試してみてください。使ってみると「もっと早くやっておけば」と思うはずです。
確定申告がそもそも必要かどうかの判断基準については、以下の記事で解説しています。

損益計算は後回しにするほど面倒になります。取引履歴のCSVだけでも、今のうちにダウンロードしておきましょう。

