「仮想通貨を持っているだけで増える」。ステーキングの説明でよく見るフレーズですが、これは半分正しくて、半分誤解を招きます。
確かに、ステーキングは仮想通貨を預けておくだけで報酬が受け取れる仕組みです。年利5〜10%を超える銘柄もあり、銀行預金とは比較にならないリターンが期待できます。
しかし、預けている間に仮想通貨の価格が暴落すれば、報酬を受け取っても元本割れする可能性は普通にある。さらに、ロック期間中は売却できず、報酬には税金もかかります。
この記事では、ステーキングの仕組みをゼロから解説した上で、おすすめの銘柄・国内取引所を比較し、見落としがちなリスクと税金まで正直にまとめます。
ステーキングとは何か
ステーキングは仮想通貨の運用方法のひとつですが、「なぜ預けるだけで増えるのか」を理解しておかないと、リスクの判断ができません。まずは仕組みの基本を押さえましょう。
仮想通貨を預けて報酬を得る仕組み
ステーキングとは、PoS(Proof of Stake)というブロックチェーンの仕組みに参加し、その対価として報酬を受け取ることです。
PoSのブロックチェーンでは、取引の承認作業(バリデーション)に「仮想通貨を一定量預ける(ステークする)」ことが求められます。預けた量や期間に応じて、ネットワーク維持の対価として新たに発行される仮想通貨が報酬として支払われます。
- 取引の承認作業を行う仕組みがPoS(Proof of Stake)
- 仮想通貨を預けることで、その承認作業に間接的に参加する
- 対価として、新しく発行される仮想通貨を報酬として受け取れる
イメージとしては銀行預金の利息に近いですが、決定的な違いがあります。銀行預金は元本が保証されますが、ステーキングでは預けている仮想通貨自体の価格が変動するという点です。
「持っているだけで増える」のは報酬の枚数の話。日本円換算で増えるかどうかは、仮想通貨の価格次第です。
なふとここが最大の誤解ポイント。年利5%で増えても、仮想通貨の価格が30%下がったら結局マイナス。この事実を隠している記事が多いので注意。
ステーキングとレンディングの違い
ステーキングと混同されやすいのが「レンディング」です。どちらも「預けて報酬を得る」点は同じですが、仕組みが根本的に異なります。
レンディングは「誰かに貸す」行為なので、貸出先が破綻するリスクがあります。一方、ステーキングはブロックチェーンのプロトコルに直接参加するため、カウンターパーティリスクは比較的低い。ただし、ビットコイン(PoW方式)はステーキングができないという制約があります。
ステーキングにおすすめの銘柄5選
ステーキングはPoS対応の銘柄でしかできません。ここでは、国内取引所で実際にステーキング可能な主要5銘柄を、利率と特徴とともに紹介します。
ETH・SOL・DOT・ATOM・AVAXの利率と特徴
| 銘柄 | 年率の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ETH(イーサリアム) | 2〜3% | 時価総額2位の安定感。利率は低めだが価格変動リスクも相対的に低い |
| SOL(ソラナ) | 5〜9% | 高速ブロックチェーンとして注目度が高い。利率と将来性のバランスが良い |
| DOT(ポルカドット) | 10〜12% | 異なるブロックチェーンを接続する技術。利率は高めだが価格変動も大きい |
| ATOM(コスモス) | 14〜19% | 国内最高水準の利率。BITPOINTで19%の実績あり。ただし銘柄の将来性は要検討 |
| AVAX(アバランチ) | 8〜10% | DeFi領域で成長中。利率・安定性ともにバランスが取れた中堅銘柄 |
利率は取引所やタイミングによって変動するため、上記はあくまで2026年初時点の目安です。最新の利率は各取引所の公式サイトで確認してください。
利率だけで選んではいけない理由
「ATOMの年利19%!」と聞くと飛びつきたくなりますが、利率が高いということは、それだけ多くのコインを新規発行して報酬に充てているということでもあります。つまり、インフレ率も高い可能性がある。
報酬として受け取るコインの枚数が増えても、供給量の増加による希薄化で価格が下がれば、実質的なリターンは数字ほど大きくありません。
ステーキングの銘柄選びは「利率が高い順」ではなく、「自分が長期保有したい銘柄をステーキングに回す」という発想が正しい。
なふと僕が実際にステーキングしているのはETHとSOLだけ。利率は低めだけど、そもそも長期保有する予定の銘柄なので「持ちっぱなしにするなら利息もらえた方がいいじゃん」という感覚です。
ステーキングができる国内取引所4社を比較
ステーキングは海外取引所の方が選択肢は多いですが、税金の管理や安全性を考えると、金融庁の登録を受けた国内取引所を使うのが現実的です。ここでは主要4社を比較します。
国内取引所の対応状況
| 取引所 | 対応銘柄数 | 手数料 | ロック | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| SBI VCトレード | 14銘柄 | 報酬から差引 | あり | 対応銘柄数が国内最多。ETH・SOL・DOT・ATOM・AVAXすべて対応 |
| BITPOINT | 10銘柄 | 無料 | なし | 手数料無料でATOM 19%の高利率。ロック期間なしで売買自由 |
| GMOコイン | 8銘柄 | 報酬から差引 | なし | ステーキング中もロックなしで売買可能。報酬シミュレーター付き |
| OKCoinJapan | 10銘柄 | 報酬から差引 | 条件による | 独自ラインナップ(PLT・ZIL・SUI)あり。他では扱えない銘柄が魅力 |
対応銘柄数や手数料体系は各取引所で異なります。上記は2026年2月時点の情報であり、最新の対応状況は各取引所の公式サイトで確認してください。
迷ったらどこを選ぶべきか
結論から言えば、目的によって最適な取引所は異なります。
- 幅広い銘柄でステーキングしたいなら → SBI VCトレード(14銘柄対応)
- 手数料ゼロで気軽に始めたいなら → BITPOINT(手数料無料 + ロックなし)
- ステーキング中も売買の自由度がほしいなら → GMOコイン(ロックなし + 売買可能)
- 他では買えないニッチな銘柄を狙いたいなら → OKCoinJapan(独自ラインナップ)
なふと個人的にはBITPOINTかGMOコインが使いやすい印象。ロックなしで売買できるのは精神的にかなり楽です。「暴落時に売れない」恐怖がないだけで、ステーキングのハードルが相当下がる。
ステーキングで知っておくべき5つのリスク
ステーキングは「預けるだけ」のシンプルな仕組みに見えますが、見落としがちなリスクがいくつかあります。始める前に必ず理解しておきましょう。
価格変動リスク
最も重要なリスクであり、ステーキングの「落とし穴」でもあります。
年利10%でステーキングしても、預けている仮想通貨の価格が1年で30%下がれば、日本円ベースでは20%の損失です。ステーキング報酬は「仮想通貨の枚数」で支払われるため、価格が下落すれば報酬の価値も一緒に下がります。
ステーキングの利率は「元本が保証された上での利回り」ではありません。預けている資産自体が値下がりするリスクを常に背負っている、ということを忘れてはいけません。
ロックアップと流動性リスク
一部の取引所やプロトコルでは、ステーキング中の仮想通貨に「ロックアップ(引き出し制限)」がかかります。ロック期間中は売却も送金もできないため、急落時に損切りができない可能性があります。
ただし、GMOコインやBITPOINTのようにロックのないサービスも増えています。初心者はロックなしの取引所から始めるのが安心です。
スラッシングリスク
スラッシングとは、ブロックチェーン上でバリデーター(取引承認者)が不正行為や長時間のオフラインなどを起こした場合に、預けた資産の一部がペナルティとして没収される仕組みです。
国内取引所を通じてステーキングする場合、取引所が信頼性の高いバリデーターを選定しているため、個人がスラッシングに遭うリスクは非常に低いです。とはいえ、ゼロではないことは知っておくべきです。
報酬が保証されないリスク
ステーキングの利率は固定ではなく、ネットワークの状況によって変動します。公表されている年率はあくまで「実績値」や「見込み値」であり、将来も同じ利率が続く保証はありません。
特に、ステーキングに参加するユーザーが増えると、報酬の分配が薄まって利率が下がる傾向があります。
取引所の破綻リスク
国内取引所は金融庁の登録を受けており、顧客資産の分別管理が義務付けられています。とはいえ、取引所自体が経営破綻した場合に、ステーキング中の資産がどう扱われるかは明確に保証されていません。
ひとつの取引所に資産を集中させず、複数の取引所に分散させることがリスク軽減の基本です。
なふと正直に言うと、国内取引所で普通にステーキングする分にはスラッシングリスクも破綻リスクもかなり低い。一番怖いのはやっぱり価格変動リスク。これは自分の判断でコントロールするしかありません。
ステーキング報酬の税金はどうなるのか
ステーキングで見落とされがちなのが税金の問題です。報酬を受け取った時点で課税対象になるため、「知らなかった」では済まされません。
雑所得として総合課税の対象
ステーキングで得た報酬は、日本の税制では「雑所得」に分類され、給与所得などと合算して総合課税されます。税率は所得に応じて最大55%(所得税45%+住民税10%)です。
課税のタイミングは「報酬を受け取った時点」です。報酬として受け取った仮想通貨の、受け取り時点での時価が所得として計算されます。
確定申告が必要になるケース
給与所得者(会社員)の場合、ステーキング報酬を含む雑所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下であれば所得税の確定申告は原則不要ですが、住民税の申告は別途必要になる場合があります。
- ステーキング報酬は受け取った時点の時価で「雑所得」として課税される
- 雑所得が年間20万円以下なら所得税の確定申告は原則不要(給与所得者の場合)
- 報酬の受取履歴と受取時の時価は必ず記録しておく
- 将来の税制改正(20%分離課税)が実現すれば、税負担は大幅に軽減される見込み
ステーキングの報酬は「タダで増えたお金」ではなく、課税対象の所得です。特に報酬が多い人は、確定申告と納税の準備を忘れずに。
日本でのETF解禁と税制改正の動向については、こちらの記事でまとめています。

なふと税金の話をちゃんと書いている記事は意外と少ない。でもここを無視して「年利10%!」だけ見て飛びつくと、確定申告の時に痛い目を見ます。報酬が溜まったら、少なくとも年に1回はざっくり計算しておくのをおすすめします。
少額からステーキングを始めたい方は、まず仮想通貨の購入からスタートしましょう。こちらの記事で具体的な始め方を解説しています。
よくある質問
まとめ
ステーキングは、仮想通貨を「ただ持っているだけ」の状態から一歩進んだ運用方法です。しかし、「持っているだけで増える」という表現を鵜呑みにすると、価格変動・ロック・税金という現実を見落とすことになります。
- ステーキングはPoS対応銘柄を預けて報酬を得る仕組み。「枚数」は増えるが「円換算の価値」は価格次第
- おすすめ銘柄はETH・SOL・DOT・ATOM・AVAX。利率は2〜19%と幅広い
- 国内取引所はSBI VCトレード(銘柄数最多)、BITPOINT(手数料無料)、GMOコイン(ロックなし)が有力
- 5つのリスク(価格変動・ロック・スラッシング・報酬未保証・取引所破綻)を理解した上で始める
- 報酬は「雑所得」として総合課税。年間20万円超で確定申告が必要
ステーキングは「稼げる」仕組みではなく、「長期保有する銘柄をより効率的に持つ」仕組みです。銘柄選びの基準は利率ではなく、自分が数年単位で保有したいかどうか。この発想で始めれば、ステーキングはリスクを抑えた賢い運用手段になります。
なふと「ステーキングで不労所得!」みたいなキラキラした話には気をつけた方がいい。仕組みを理解して、自分が信じた銘柄を淡々とステーキングに回す。それが結局一番賢いと思います。


