「仮想通貨はやめとけ」。ネットでもリアルでも、よく聞く言葉です。
で、気になって調べてみると「やめとけと言われる理由7選」みたいな記事がズラッと出てくる。リスクを並べた後に「でも正しく始めれば大丈夫!」と取引所に誘導する構成ばかり。あれを読んで納得できた人は少ないと思います。
この記事では「やめとけ」の理由を8つ、ひとつずつ本気で検証します。どこまでが正しいリスクで、どこからが誤解なのか。賛否を分けて整理します。
その上で、「やめたほうがいい人」の条件も5つ明確にしました。逆に言えば、5つに当てはまらないなら始める選択肢は残っています。
最後まで読めば、やめるか始めるかを自分の頭で判断できる状態になっているはずです。
「仮想通貨はやめとけ」と言われる8つの理由
まずは「やめとけ」と言われる代表的な理由を8つ並べます。よく聞くものから順番に、それぞれの実態を見ていきます。
①価格変動が激しすぎて精神がもたない
これは事実です。ビットコインは1日で10%以上動くこともあります。株式市場では「暴落」と呼ばれる水準が、仮想通貨では日常的に起きる。
2025年10月に1,800万円をつけたビットコインは、2026年2月に約1,100万円台まで下がりました。たった4ヶ月で40%の下落。これを見て「普通の投資」とは言いにくいのは確かです。
ただし、この変動の激しさは短期で見た場合の話。3年以上の長期スパンで見ると、ビットコインは過去すべての暴落から回復し、前回の最高値を更新しています。
暴落リスクについて詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しています。

②税金が最大55%。株の2.7倍
これも事実。日本では仮想通貨の利益は「雑所得」に分類されます。給与所得と合算されるので、稼げば稼ぐほど税率が上がる。最大で住民税と合わせて55%です。
株やFXの税率は一律20.315%。仮想通貨だけが突出して高い。しかも損益通算もできない(株の損失と仮想通貨の利益を相殺できない)。これは正直、かなり不利な制度です。
ただし2026年度の税制改正で、申告分離課税(20%への引き下げ)が検討されています。すぐに変わる保証はないですが、改善の兆しはある。
③ハッキングで資産が消えるリスクがある
過去に実際に起きています。2018年のコインチェック事件では約580億円相当のNEMが流出しました。「取引所に預けていたら盗まれた」という、普通の金融商品では考えにくい事態です。
ただし、この事件以降、金融庁の規制が大幅に強化されました。現在、国内の登録済み取引所は顧客資産の分別管理やコールドウォレット保管が義務化されています。2026年時点で、主要国内取引所での大規模ハッキングは近年発生していません。
リスクはゼロにはならないけど、「国内の登録済み取引所を使う」だけで大幅に軽減できます。
④詐欺プロジェクトが多すぎる
これは本当に多い。「必ず儲かる」「月利30%」みたいなDMがSNSで飛んできたことがある人もいるはずです。実際に被害額は年々増えていて、国民生活センターへの相談件数も高水準のままです。
ただし、これは「仮想通貨=詐欺」ではなく「仮想通貨を使った詐欺がある」という話です。ビットコインやイーサリアム自体が詐欺なわけではない。見分け方さえ知っていれば、避けられるリスクです。
詐欺の具体的な手口と見分け方についてはこちらにまとめています。

⑤仕組みが複雑で理解しにくい
ブロックチェーンの技術的な仕組みを完全に理解してから始めるべきか。個人的には、No だと思っています。
株を買うのに東証のマッチングエンジンの仕組みを理解している人がどれだけいるか。銀行にお金を預けるのにSWIFTの仕組みを知っている人がどれだけいるか。技術を理解していなくても、「何に投資しているか」と「どんなリスクがあるか」を理解していれば十分です。
もちろん、DeFiやNFTなど高度な領域に手を出すなら技術理解は必須です。でも「ビットコインを少額買う」くらいなら、そこまで構える必要はない。
⑥レバレッジで借金を背負う可能性がある
これは条件付きで正しい。レバレッジ取引(証拠金取引)を使うと、手持ちの数倍の金額で取引できる代わりに、損失も数倍になります。急激な変動で強制ロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスになるケースもゼロではありません。
ただし、これは現物取引なら関係ない話です。ビットコインを1万円分買って、最悪ゼロになっても損失は1万円。借金にはなりません。レバレッジに手を出さなければ、このリスクは完全に回避できます。
⑦取引所が潰れたら資産が返ってこない
2022年のFTX破綻は記憶に新しい。世界第2位の取引所が一夜にして崩壊し、多くの利用者が資産を引き出せなくなりました。
ただし、FTXは海外の取引所です。日本の金融庁に登録された国内取引所は、顧客資産の分別管理が法律で義務付けられています。仮に取引所が破綻しても、理論上は顧客資産は保全される仕組みになっています。
とはいえ「理論上」という言葉が入る時点で、リスクがゼロとは言い切れません。信頼できる取引所を選ぶことが前提です。
⑧24時間365日、相場が気になって眠れない
株式市場は平日の9時〜15時だけ。でも仮想通貨市場は年中無休です。寝ている間に10%下がっている、なんてことが普通にある。これが精神的にきつい人は確かに多い。
ただし、これも「チャートを見る必要がある投資スタイル」を選んだ場合の話。積立投資にすれば、毎月自動で買い付けるだけなので、チャートを見る必要がそもそもありません。投資スタイル次第で解決できるリスクです。
8つの理由を検証して見えてきたこと
ここまで「やめとけ」の理由を8つ検証しました。全部に目を通した上で、整理すると見えてくることがあります。
「正しいリスク」と「誤解」を分けて整理する
| 理由 | 正しいリスク? | 対策可能? |
|---|---|---|
| ①価格変動が激しい | 事実 | 長期投資・積立で軽減 |
| ②税金が高い | 事実 | 税制改正の動きあり |
| ③ハッキングリスク | 条件付き | 国内取引所で大幅軽減 |
| ④詐欺が多い | 条件付き | 知識で回避可能 |
| ⑤仕組みが難しい | 誤解寄り | 現物購入なら不要 |
| ⑥レバレッジで借金 | 条件付き | 現物のみなら無関係 |
| ⑦取引所破綻 | 条件付き | 国内登録取引所で軽減 |
| ⑧24時間で精神的負担 | 条件付き | 積立なら解消 |
実は対策できるリスクが大半
8つのうち、完全に「事実で対策不可能」と言えるのは②の税金くらいです。それ以外は、投資スタイルや取引所の選び方で大幅に軽減できるか、そもそも前提が限定的なリスクです。
なふと「やめとけ」って言う人の多くは、8つ全部をごちゃ混ぜにして語ってる印象があります。分けて考えるだけで、だいぶ景色が変わると思う。
「やめとけ」は半分正しい。でもそれは「全員がやるべきじゃない」という意味であって、「誰もやるな」という意味ではありません。
やめたほうがいい人の特徴5つ
とはいえ、本当にやめたほうがいい人もいます。以下の5つのうち、1つでも当てはまるなら、今は始めないほうがいい。
生活費を投資に回そうとしている人
来月の家賃や食費を削って投資するのは、仮想通貨に限らず絶対にやってはいけません。投資は「なくなっても生活に影響しないお金」でやるもの。生活費を投じた瞬間、冷静な判断ができなくなります。
一発逆転を狙っている人
「仮想通貨で人生変えたい」「100万円を1億にしたい」。この発想で始めると、レバレッジ取引やマイナー通貨に手を出して、ほぼ確実に資産を溶かします。仮想通貨は確かにリターンが大きい投資ですが、「一発逆転ツール」ではない。
価格を毎日チェックしないと不安な人
毎日チャートを見て一喜一憂するタイプの人は、仮想通貨の値動きに精神が持ちません。10%の上下が日常的に起きる市場で毎日チャートを追っていたら、仕事も生活も手につかなくなります。
自分でリサーチする気がない人
「何を買えばいいか教えてください」で始める人は危険です。仮想通貨は自己責任の世界。誰かの推奨をそのまま信じて買うと、詐欺の標的になりやすい。自分で最低限の情報を調べる意志がないなら、やめておくべきです。
「絶対儲かる」と信じている人
「ビットコインは絶対上がる」と思い込んでいる人ほど、暴落時にパニック売りします。過去のデータを見れば長期的には上昇してきましたが、未来が同じ保証はどこにもない。損失の可能性を受け入れた上で投資できない人は、向いていません。
やめたほうがいい人の5条件
- 生活費を投資に回そうとしている
- 一発逆転を狙っている
- 毎日チャートを見ないと不安
- 自分でリサーチする気がない
- 「絶対儲かる」と信じている
5つのうち1つも当てはまらないなら、「やめとけ」を鵜呑みにする必要はありません。
「仮想通貨の積立もやめとけ」は本当か
「やめとけ」のサジェストにもう一つよく出てくるのが「仮想通貨 積立 やめとけ」。「積立ならリスク低いって聞くけど、それもダメなの?」という疑問を持つ人は多いです。
積立が向いている人、向いていない人
仮想通貨の積立投資は、毎月一定額を自動で買い付ける方法です。ドルコスト平均法で平均取得単価を平準化できるため、「高値掴み」のリスクを抑えられます。
積立が向いているのは、「3年以上の長期で保有するつもりの人」「チャートを毎日見たくない人」「感情で売買しがちな人」。逆に向いていないのは、「短期で利益を出したい人」「まとまった資金を一気に投じたい人」です。
積立なら暴落が味方になる理由
積立投資の最大の強みは、暴落が「むしろありがたい」に変わることです。価格が下がっているとき、同じ金額でより多くのビットコインが買える。暴落が続けば続くほど、平均取得単価が下がっていく。
もちろんビットコインが永久に下がり続ければ損失になります。でも、過去のすべての暴落から回復している実績を踏まえれば、長期積立は合理的な選択肢の一つです。
なふと正直、積立にしてからメンタルがだいぶ安定しました。毎月勝手に買い付けてくれるから、チャートを気にしなくてよくなった。暴落してても「安く買えてラッキー」と思えるようになるのが大きい。
「仮想通貨の積立もやめとけ」は、短期で結果を求める人には正しい。長期で続ける覚悟がある人には、当てはまらないアドバイスです。
積立投資のメリット・デメリットを正直に全部書いた記事はこちらです。

始めるなら最低限これだけは守ってほしい
ここまで読んで「自分は始めてもいいかもしれない」と思った人へ。始める前に、これだけは絶対に守ってください。
余剰資金かつ少額で始める
最初に投じる金額は「なくなっても笑える金額」にしてください。1,000円や5,000円でいい。実際にビットコインは数百円から買えます。まずは小さく始めて、値動きの感覚を体で覚えることが大事です。
少額から始めた場合のリアルな体験談はこちらにまとめています。
国内の登録済み取引所を使う
金融庁に登録されている国内取引所を使う。これだけでハッキングリスク、取引所破綻リスク、詐欺リスクの3つを大幅に軽減できます。海外取引所は手数料が安かったりトークンの種類が多かったりしますが、初心者が使う理由はありません。
まだ取引所の口座を持っていないなら、初心者におすすめのコインチェックでサクッと開設しておきましょう。
レバレッジには手を出さない
現物取引だけにする。これで「借金を背負うリスク」は完全にゼロになります。レバレッジ取引は上級者が自己責任で使うもの。初心者が触る必要はまったくない。
始めるための3つのルール
- 余剰資金かつ少額(1,000円〜)で始める
- 金融庁登録の国内取引所を使う
- レバレッジには絶対に手を出さない
この3つを守るだけで、「やめとけ」と言われる理由の大半は消えます。
よくある質問
「やめとけ」と調べている人がよく持つ疑問に答えます。
まとめ
「仮想通貨はやめとけ」と言われる理由を8つ検証しました。結論として、すべてが間違いではないけど、すべてが正しいわけでもない。
なふと「やめとけ」の声を聞いて、ちゃんと自分で調べようとしてるあなたは、それだけで投資に向いてる側の人間だと思います。調べもせずに飛びつく人のほうがよっぽど危ない。
- 「やめとけ」の8つの理由のうち、対策不可能なのは税金くらい
- ハッキング・詐欺・借金リスクは、正しい知識と行動で大幅に軽減できる
- やめたほうがいい人には5つの明確な特徴がある。当てはまらないなら始める選択肢もある
- 積立投資なら暴落も味方になる。短期的な値動きに振り回されない方法がある
- 始めるなら「少額・国内取引所・現物のみ」の3ルールを守る
「やめとけ」を調べた時点で、あなたはすでに正しい一歩を踏み出しています。あとは事実をもとに、自分で決めればいい。


