取引所で上場廃止になった仮想通貨はどうなる?2025年の実例で全部説明する

自分が持っている仮想通貨が、ある日突然「取扱廃止」になったらどうなるの?

2025年、GMOコインがネム(XEM)やモナコイン(MONA)を含む6銘柄を一斉に上場廃止にしました。SBI VCトレードも同時期に3銘柄を廃止しています。SNSでは「自分のコインが消えるのか」「全部ゼロになるのか」と不安の声が広がりましたよね。

結論から言えば、上場廃止=資産がゼロになるわけではありません。

ただし、何もせず放置すると取引所に強制売却されます。税金の問題も出てきます。

この記事では2025年の実例をもとに、上場廃止の仕組み・具体的な対処法・税金の扱いまで全部まとめました。

目次

上場廃止されても資産はゼロにならない

まず一番伝えたいのは、「上場廃止」と「資産が消える」はイコールではないということです。

上場廃止とは、その取引所で特定の銘柄を売買できなくなるだけの話です。ブロックチェーン上に記録されたトークンそのものが消滅するわけではありません。

株式市場で例えるなら、東京証券取引所で上場廃止になっても会社自体が消えるわけではないのと似ています。ただし仮想通貨の場合、その銘柄を扱う取引所が他になければ実質的に売れなくなるので、状況は株式よりシビアです。

上場廃止 = 「その取引所ではもう売買できません」という通知。ブロックチェーン上のトークンは残っています。

上場廃止されたからといって、保有している通貨がいきなりゼロになることはありません。

「取引所の上場廃止」と「取引所の倒産」はまったく別の話

この2つを混同している人が意外と多いです。

上場廃止は、取引所が特定の銘柄の取扱いをやめることです。取引所自体は通常どおり営業を続けます。ビットコインやイーサリアムなど他の銘柄はこれまでどおり売買できます。

一方、取引所の倒産は取引所そのものがなくなるケースです。こちらは顧客資産の返還が問題になりますが、日本では資金決済法で分別管理が義務付けられており、一定の保護があります。

なふと

上場廃止のニュースを見て「取引所が潰れるのでは」と焦る方がいますが、それはまったく別の話です。取引所は普通に営業しています。

取引所の倒産リスクと顧客資産の保護については、別の記事で詳しくまとめています。

なぜ取引所は銘柄を上場廃止にするのか

上場廃止は取引所の気まぐれで起こるわけではありません。規制コストと収益のバランスが崩れたとき、取引所は銘柄を手放さざるを得なくなります。

JVCEAの定期評価と取扱基準

国内の仮想通貨取引所は、JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)の自主規制ルールに従って運営されています。

銘柄を新規上場させるときだけでなく、上場後も定期的に銘柄の健全性を評価する義務があります。プロジェクトの開発状況、セキュリティ、流動性、法的リスクなどを総合的にチェックし、問題が認められれば取扱廃止の検討対象になります。

つまり、国内取引所で上場している銘柄は常にJVCEAの監視下にあるということです。これは逆に言えば、国内取引所に上場している銘柄は一定の品質チェックを通過しているとも言えます。

運用コストが収益に見合わなくなる

銘柄を取引所に置いておくだけでもコストがかかります。

ウォレットの管理、ブロックチェーンノードの運用、監査法人による専門家検証。これらは取引量に関係なく発生する固定費です。コインチェックCFOのインタビューでは、銘柄ごとにノード運用費や監査費用が継続的に発生すると明かされています。

取引量が少ない銘柄は、取引手数料の収入よりもこうした維持費のほうが大きくなります。さらに、海外の大手取引所で先に廃止されると国内でのカバー取引先がいなくなり、価格形成自体が困難になります。

上場廃止は「人気がないから消す」のではなく、「維持する費用に見合わなくなったから消す」のが実態です。

2025年に起きた国内取引所の上場廃止事例

実際に何が起きたのかを見るのが一番わかりやすいです。2025年は国内の主要取引所で同時多発的に上場廃止が起きた年でした。

GMOコインが6銘柄を一斉廃止した

2025年5月21日、GMOコインはXEM(ネム)、BAT、QTUM、ENJ(エンジンコイン)、XYM(シンボル)、MONA(モナコイン)の6銘柄の取扱廃止を発表しました。

廃止までのスケジュールはこうです。

日付 内容
2025年5月21日 取扱廃止の告知
2025年5月30日 つみたて暗号資産(BAT毎日プラン)・ステーキング終了
2025年6月28日 販売所・取引所での売買終了
2025年7月28日 外部への送付受付終了
2025年8月2日 完全廃止(残った資産は強制売却へ)

告知から完全廃止まで約73日間の猶予がありました。この間にユーザーは売却するか、別の取引所に送るかを判断する必要があったわけです。

エンジンコイン(ENJ)はかつて国内でも人気があった銘柄です。廃止の背景や今後については別の記事でまとめています。

SBI VCトレードもMONA・ENJ・FCRを廃止

GMOコインとほぼ同時期に、SBI VCトレードもモナコイン(MONA)、エンジンコイン(ENJ)、エフシーアールコイン(FCR)の取扱廃止を発表しました。

注目すべきは、異なる取引所が同じ銘柄を同じ時期に廃止している点です。これは個別の取引所の事情というより、グローバルでの流動性低下が根本原因であることを示しています。海外のカバー取引先が消えれば、国内のどの取引所でも価格形成が困難になるからです。

複数の取引所で同時に廃止が起きたら、その銘柄のグローバル流動性に問題が出ているサインです。

廃止通知が届いたら取るべき3つの行動

上場廃止の通知を受けたとき、パニックになる必要はありません。ただし、期限がある以上、早めに動くことが大事です。

STEP
他の取引所で取扱いがあるか確認する

CoinGeckoやCoinMarketCapで、その銘柄を扱っている他の取引所を検索します。国内に別の取扱先があれば、そこに口座を開いて送付するのが最善の選択肢です。

ただし送付受付にも期限があるので注意してください。GMOコインの場合、売買終了(6月28日)から送付終了(7月28日)まで1ヶ月しかありませんでした。

STEP
他に取扱先がなければ猶予期間内に売却する

他の取引所でも取扱いがない場合は、猶予期間内に売却するしかありません。取引終了日までに成行注文で売却します。

廃止が決まった銘柄は板が薄くなっているのが普通です。売り注文が集中してスリッページが大きくなることもあるので、できるだけ早めに動いてください。

STEP
何もしなかった場合は取引所が強制売却する

取引終了日を過ぎても口座に残っている資産は、取引所が市場価格で強制的に売却します。GMOコインもコインチェックも同じ方針です。売却後、日本円に換金されてあなたの口座に入金されます。

強制売却の問題は売却タイミングを自分で選べないことです。市場が不利な状況でも取引所が判断した時期に売られてしまいます。

なふと

「放っておけばお金になるなら別にいいじゃん」と思うかもしれませんが、タイミングを選べないのは思った以上に痛いです。それに、強制売却は税金の面でも面倒な問題を引き起こします。

廃止通知が届いたら、まず「他の取引所に送れるか」を確認。送れなければ自分で売る。何もしないのが一番もったいない選択です。

上場廃止で知っておきたい税金の話

上場廃止の対処法はわかった。でも税金はどうなるのか。ここを見落としている人が多いので、しっかり押さえておきましょう。

強制売却されたら課税イベントになる

取引所による強制売却であっても、売却が成立した時点で「譲渡」とみなされます。つまり、税金が発生する可能性があります。

仮想通貨の売却益は雑所得として課税されます。取得単価と強制売却時の価格の差額がプラスなら、その分が課税対象です。

たとえば1ENJを100円で購入し、強制売却時に5円で売却された場合、95円の損失です。この場合は課税されませんが、逆に利益が出ていれば確定申告が必要になります。

強制売却のタイミングは自分で選べないので、「利益が出る価格で売られた」場合でも、確定申告の対象になります。

損失が出た場合は雑所得の必要経費に計上できる

上場廃止に伴う損失は、雑所得の必要経費として計上できます。

これは税理士ドットコムの専門家回答でも確認されており、他の仮想通貨の利益と雑所得内で損益通算が可能です。たとえばビットコインで30万円の利益があり、上場廃止で10万円の損失が出た場合、課税対象は差引20万円になります。

ただし、株式や投資信託など他の金融商品の損益とは通算できません。仮想通貨の損益はあくまで雑所得の中だけで計算します。

なふと

損失が出たとしても、確定申告で経費として計上しなければ意味がありません。取引所からダウンロードできる取引履歴は必ず保管しておいてください。強制売却分の記録も含めてです。

強制売却で損失が出たら、確定申告で他の仮想通貨の利益と相殺できます。取引履歴は必ず保管しておきましょう。

廃止リスクを減らすための銘柄選びのポイント

上場廃止の対処法を知っておくのは大事ですが、そもそも廃止リスクの低い銘柄を選ぶほうがずっと楽です。廃止されやすい銘柄にはいくつかの共通点があります。

「廃止されやすい銘柄」の共通点

2025年に廃止された銘柄を分析すると、共通するパターンが見えてきます。

まず、海外の大手取引所で先に取扱廃止になっている銘柄は危険信号です。バイナンスやOKXで廃止された銘柄は、国内でもカバー取引ができなくなるため、連鎖的に廃止されやすくなります。

次に、取引量が極端に少ない銘柄。板がスカスカで、売りたいときにまともな価格で売れない状態は、すでに廃止予備軍です。

そして、プロジェクトの開発が事実上止まっている銘柄。GitHubのコミットが何ヶ月も止まっている、公式サイトの更新がない、こういった銘柄はJVCEAの評価でも低い評価を受けやすいです。

海外取引所での先行廃止 → 取引量の激減 → 国内取引所でも廃止。このパターンを覚えておくだけで、リスクの高い銘柄を避けやすくなります。

ミームコインのような投機的な銘柄は特に廃止リスクが高いです。詐欺コインとの見分け方も含めて、こちらの記事で解説しています。

主要銘柄(BTC・ETH)が廃止されることはあるのか

結論から言えば、現時点でビットコインやイーサリアムが国内取引所から廃止された事例はゼロです。

理由はシンプルで、時価総額・取引量・グローバル流動性のすべてが桁違いに大きいからです。カバー取引先に困ることもなく、JVCEAの評価基準にも問題なく合格し続けています。

「上場廃止が怖い」と感じるなら、BTC・ETHなど主要銘柄だけに絞って投資するのは、現実的で合理的な判断です。

なふと

僕自身、ポートフォリオの大半はBTCとETHです。アルトコインに手を出すなら、廃止リスクも込みで判断する必要があります。

上場廃止が怖いなら、BTC・ETHなど主要銘柄だけを持つのが最もシンプルな対策です。

よくある質問

上場廃止になったら保有通貨は返してもらえますか?

保有通貨が「返してもらえる」というよりも、猶予期間中に自分で売却するか、別の取引所に送付することになります。期限を過ぎると取引所が強制売却して日本円として口座に入金されます。通貨そのもので返却されるわけではありません。

海外取引所で上場廃止になった場合も同じですか?

基本的な流れ(告知→猶予期間→廃止)は同じですが、海外取引所は日本のJVCEAのような保護規制がありません。告知から廃止までの猶予が短いケースもあるため、より早い対応が必要です。

また、海外取引所の場合は強制売却後の日本円換金ではなく、USDTなどのステーブルコインで返されることが多いです。

廃止された銘柄がまた上場されることはありますか?

理論上はあり得ますが、実際にはかなり稀です。一度廃止された銘柄が再上場するには、廃止の原因(流動性不足、プロジェクトの停滞など)が解消されている必要があります。

「いつか再上場するかも」と期待してウォレットに保管し続けるのは、その銘柄に明確な将来性がない限りおすすめしません。

まとめ

仮想通貨の上場廃止は、正しく理解していれば必要以上に怖がるものではありません。

  • 上場廃止 = 資産消滅ではない。トークン自体はブロックチェーン上に残っている
  • 国内取引所には告知義務があり、猶予期間は約2〜3ヶ月
  • 廃止通知を受けたら、まず「他の取引所に送れるか」を確認する
  • 何もしなければ取引所が強制売却し、日本円で口座に入金される
  • 強制売却は課税イベント。損失は雑所得の経費として計上可能
  • BTC・ETHなど主要銘柄が廃止された事例はゼロ。廃止が怖いなら主要銘柄に絞る

仮想通貨を安全に保管・取引するなら、金融庁登録済みの国内取引所を使うのが基本です。

なふと

上場廃止の仕組みがわかれば、必要以上にアルトコインを怖がらなくてすみます。大事なのは「廃止されたときにどう動くか」を事前に知っておくことです。

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