日本のビットコインETF解禁が遅い理由と、待たずに今から始める選択肢

「米国ではもうビットコインETFが買えるのに、日本ではいつ解禁されるの?」

この疑問を持つ人は、2024年1月に米国でビットコイン現物ETFが承認されてから一気に増えました。証券口座から手軽にビットコインに投資できる——そんな世界が日本にもやってくるのか。結論から言えば、早ければ2028年頃です。

ただし、ETFの解禁を「待つだけ」は、タイミングによっては大きな機会損失になります。

この記事では、日本でETFが解禁されない理由を3つの前提条件に分解して整理し、最短のタイムラインを提示した上で、「待つべきか、今から始めるべきか」の判断基準を解説します。

目次

日本でビットコインETFが買えない理由

まずは「なぜ日本ではまだビットコインETFが買えないのか」を基本から押さえておきましょう。

そもそもETFとは何か

ETF(Exchange Traded Fund)は「上場投資信託」のことで、株式と同じように証券取引所で売買できる投資信託です。S&P500や金(ゴールド)のETFは日本でも普通に買えます。

ビットコインETFとは、その投資対象がビットコインになったもの。証券口座からビットコインに投資できるので、仮想通貨取引所に口座を開く必要がありません。

つまりビットコインETFは、「仮想通貨は怖い」と思っている人でも、普段使っている証券口座から投資できるようになる仕組みです。

米国では2024年に承認済み。日本との温度差

米国では2024年1月にSEC(証券取引委員会)がビットコイン現物ETFを承認しました。ブラックロック、フィデリティなど世界的な運用会社が参入し、承認からわずか1年で数兆円規模の資金が流入しています。

香港でも2024年中に現物ETFが承認され、アジアでも動きが加速。しかし、日本では2026年2月時点でまだ承認されていません。

日本が慎重な理由は「投資家保護」

金融庁のスタンスは一貫して「投資家保護の環境が整うまでは認めない」というものです。具体的には、現在の日本では暗号資産の法的な位置づけが「金融商品」ではなく「決済手段」寄りになっているため、株式のようにETFの器に入れること自体が法律上できない状態にあります。

さらに、暗号資産の利益に最大55%の税金がかかる現行税制のまま、ETFを解禁しても投資家にとって不利益が大きい、という判断もあります。

なふと

金融庁が慎重なのは「ダメだから」じゃなくて「環境を整えてからやる」という方針。実際、裏では着実に法整備が進んでいます。

ETF解禁に必要な3つの前提条件

日本でビットコインETFが解禁されるためには、3つの法的・制度的な条件がクリアされる必要があります。これを理解すれば、「いつ解禁されるか」の見通しが驚くほどクリアになります。

条件① 金融商品取引法(金商法)への移行

現在、暗号資産は「資金決済法」で規制されています。これは簡単に言えば「お金の送金や決済のルール」であり、投資商品としてのルールではありません。

暗号資産をETFに組み込むためには、株式や債券と同じ「金融商品取引法(金商法)」の対象にする必要があります。金融庁は、この法改正案を2026年の通常国会に提出する方針です。

金商法の対象になれば、インサイダー取引規制や情報開示義務も適用され、投資家保護の枠組みが一気に強化されます。

条件② 税制改正(55%→20%の分離課税)

現在の日本では、暗号資産の利益は「雑所得」として最大55%の総合課税が適用されます。これが、機関投資家・個人投資家を問わず市場参入のハードルになっていました。

2025年12月に公表された「令和8年度税制改正大綱」では、暗号資産に関する抜本的な見直しが明記されました。

  • 現物取引・デリバティブ・ETFから生じる所得を一律20%の申告分離課税に変更
  • 3年間の損失繰越控除を創設(株式投資と同等の扱いに)
  • 暗号資産同士の交換時に課税を繰り延べる措置を導入

55%から20%への税率変更は、投資家にとって文字通りのゲームチェンジャーです。この改正が施行されることが、ETF解禁の実質的な前提条件になっています。

条件③ 投資信託法の施行令改正

ETFは「投資信託」の一種です。日本の投資信託法では、投資対象にできる資産(特定資産)が法律で定められていますが、現時点で暗号資産はこのリストに含まれていません。

金融庁は、投資信託法の施行令を改正し、「特定資産」にビットコインなどの暗号資産を追加する方向で検討を進めています。この改正が実現すれば、証券会社がビットコインETFを東証に上場させることが法的に可能になります。

なふと

要するに、①法律の移行(金商法)→ ②税制の改正(20%)→ ③投信の許可(特定資産追加)の3つが全部揃って初めてETFが解禁される、という流れです。

最短タイムラインを整理する

では、3つの条件がいつ揃うのか。現時点での最短シナリオを時系列で整理します。

2026年:金商法改正案を国会に提出

金融庁は、暗号資産を金商法の対象に含める法改正案を2026年の通常国会(1月〜6月頃)に提出する方針を示しています。ここで法案が可決されれば、制度設計の第一段階がクリアされます。

ただし、国会審議のスケジュールや政治情勢によっては、法案成立が翌年に持ち越される可能性もゼロではありません。

2027年:法改正の施行・準備期間

法改正が成立しても、実際に施行されるまでには準備期間が必要です。関連する政省令の制定、金融機関の体制整備、投資家保護のガイドライン策定などが2027年中に進むと見られています。

2028年:ETF解禁+20%分離課税の施行

税制改正は通常、法改正の施行後の翌年1月から適用されることが多く、2027年中に金商法が施行されれば、2028年1月に20%の分離課税がスタートすると見られています。

ETFの上場もこのタイミングに合わせて解禁される可能性が高く、2028年が「日本のビットコインETF元年」になるというのが現時点での最も有力なシナリオです。

時期イベントステータス
2024年1月米国でビットコイン現物ETF承認✅ 完了
2025年12月税制改正大綱に20%分離課税が明記✅ 完了
2026年(予定)金商法改正案を国会に提出🔄 進行中
2027年(予定)法改正施行・準備期間⏳ 未着手
2028年(予定)ETF解禁+20%分離課税の施行⏳ 未着手

最短で2028年、順当にいけば2028年中。ただし、法案審議の遅延リスクを考慮すると、2029年以降にずれ込む可能性もあります。

2026年のビットコイン価格の見通しについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

なふと

「2028年まで待つのか…」と思うかもしれないけど、逆に言えばまだ2年ある。その間にビットコインの価格が大きく動く可能性は十分にあります。

野村・SBIはすでに準備を始めている

ETF解禁はまだ先ですが、日本の大手金融機関はすでに動き始めています。法改正が実現した瞬間にスタートを切れるよう、着々と体制を整えている状況です。

大手金融機関のETF開発動向

複数のメディアによれば、野村ホールディングス、SBIホールディングス、大和アセットマネジメント、三菱UFJアセットマネジメントなどが、暗号資産の投資信託やETFの開発を検討しています。

これらは日本を代表する金融機関であり、彼らが参入を検討しているという事実自体が、ETF解禁の現実味を裏付けています。

法改正され次第、最速で解禁する構え

特に注目すべきは、これらの金融機関が「法改正が成立し次第、すぐにでもビットコインETFを提供したい」と報じられている点です。

つまり、ボトルネックは金融機関の準備ではなく、法律の整備です。法律さえ通れば、複数の運用会社が同時にETFを立ち上げる展開が予想されます。

日本の金融業界全体がビットコインETFに対してポジティブに動いている。これは「もしかして解禁される」ではなく「解禁されるのは既定路線」というフェーズに入っていることを意味しています。

なふと

「ETFなんて本当に来るの?」と思うかもしれないけど、野村やSBIが本気で準備しているという事実は、個人投資家の推測よりもはるかに重い情報です。

ETFを待つべきか、今から始めるべきか

ここまで読んで「2028年まで待てばいい」と思った人もいるかもしれません。しかし、「待つ」にもコストがあります。ここでは、待つ場合と今から始める場合のメリット・デメリットを整理します。

「ETFを待つ」のメリットとデメリット

メリット
デメリット
  • 税率が20%に下がった状態で投資できる
  • 証券口座から買えるので管理が楽
  • 損失繰越控除が使える
  • 2028年までの価格変動を取り逃がすリスク
  • 法改正が遅れた場合、さらに待つことになる
  • ETF経由では信託報酬(手数料)がかかる

「今から始める」のメリットとデメリット

メリット
デメリット
  • 今の価格帯で投資を始められる(ATHから約40%調整中)
  • 少額(最低500円〜)から始められるので、リスクを抑えてスタートできる
  • 積立設定を使えば、自動でドルコスト平均法を実践できる
  • 税率は最大55%のまま(ただし利益が20万円以下なら確定申告不要)
  • 仮想通貨取引所の口座開設が必要

結論としての判断基準

ETFは便利なツールですが、「万能」ではありません。ETFを待つ最大のリスクは、その間にビットコインの価格が大きく上昇し、結果的に高値で買うことになるリスクです。

判断の軸はシンプルです。

  • 投資額が大きく、税金の影響が重大な人 → ETF解禁を待つ方が合理的
  • 少額から試してみたい人 → 今から取引所で始めて、ETF解禁後に移行する
  • 「どちらかに絞れない」人 → 今から少額で積立を開始し、ETF解禁後に本格投入

「ETFを待つか、今から始めるか」は二者択一ではありません。今から少額で始めて相場感を掴み、ETFが解禁されたら本格的にシフトする——この「段階的アプローチ」が、最もリスクが低く合理的な戦略です。

少額からビットコイン投資を始める方法はこちらでまとめています。

なふと

僕自身は「ETFなんて待ってられない」派です。仮に2028年にETFが解禁された時にビットコインが今の2倍の価格になっていたら、待ったことを後悔する。だから今から少額でコツコツ積み立てています。

よくある質問

日本からアメリカのビットコインETFは買えますか?

現時点では、日本の証券会社を通じて米国のビットコインETFを購入することはできません。金融庁が環境整備が整っていない段階での取り扱いについて慎重な姿勢を示しているためです。

ETFが解禁されたらビットコインの価格は上がりますか?

一般的には、ETFの解禁は新たな資金流入を生むため、価格にはプラスの影響が出ると予想されます。米国のケースでは、ETF承認後にビットコインは過去最高値を更新しました。ただし、すでに日本のETF解禁は市場で予想されている(織り込み済み)観点から、解禁時の値動きが限定的になる可能性もあります。

税制改正で20%になるのは確定ですか?

2025年12月の税制改正大綱に明記されたため、方向性としてはほぼ確定です。ただし、実際の施行は金商法の改正とセットとなるため、施行時期は2028年1月が有力視されています。法案審議が遅れた場合はさらに後ろ倒しになる可能性があります。

ビットコイン以外のETF(イーサリアムなど)も日本で解禁されますか?

投資信託法の施行令改正では「暗号資産」を特定資産に追加する方針のため、ビットコイン以外の暗号資産もETFの対象になる可能性はあります。ただし、最初に解禁されるのはビットコインが最有力で、その後にイーサリアムなどが続くと考えるのが自然です。

ETFと仮想通貨取引所で直接買うのとでは、どちらがお得ですか?

ETFには信託報酬(年間の手数料)がかかりますが、税率が20%に下がるメリットがあります。一方、取引所は税率が最大55%ですが、信託報酬はかかりません。投資額が小さく利益が20万円以下に収まるなら取引所でも税負担は軽く、投資額が大きいなら税率の差がETFに有利に働きます。

まとめ

日本でのビットコインETF解禁は、着実に近づいています。ただし、その実現には複数のステップがあり、「いつでもすぐに」というわけではありません。

  • 日本でビットコインETFが買えない理由は、法律・税制・投信法の3つが未整備だから
  • 金商法改正案は2026年の国会に提出予定。税制改正(20%分離課税)も大綱に明記済み
  • 最短で2028年にETF解禁+20%税率が施行される見通し
  • 野村・SBIなど大手金融機関は法改正後すぐにETF提供できる体制を準備中
  • ETFを「待つだけ」は機会損失のリスク。少額で始めてETF解禁後にシフトするのが合理的
なふと

「ETFが来たら始めよう」は一見賢い判断に見えるけど、2年後にビットコインの価格がどうなっているかは誰にも分からない。だから僕は「今から少額で始めて、ETFが来たら乗り換える」をおすすめしています。

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