仮想通貨のパスワードを忘れても焦らなくていいケースと、本当に焦るべきケース

仮想通貨のパスワードを忘れて、ログイン画面で何度入力しても弾かれる。あの瞬間って本当に焦りますよね。

めちゃくちゃわかります。ただ、ここで一つ知っておいてほしいのは、すべてのケースが「詰み」なわけではないということです。

取引所のパスワードならメールで再設定できます。MetaMaskもシードフレーズさえ手元にあれば復元できます。一方で「シードフレーズごと忘れた」場合は話が別で、正直に言うとかなり厳しい状況です。

この記事では、仮想通貨のパスワードを忘れたときの対処法を4つのケースに分けて、それぞれ正直に書いていきます。

目次

まずは「どのパスワードを忘れたか」を確認する

仮想通貨のパスワードと一口に言っても、場面ごとに対処法がまったく違います。「取引所のログインパスワード」と「ウォレットのシードフレーズ」では深刻度が天と地ほど違うので、最初に自分の状況を確認してください。

忘れたもの 具体例 復旧できるか 必要なもの
取引所のログインパスワード Coincheck・bitFlyer等 できる 登録メールアドレス
MetaMaskのログインパスワード Chrome拡張・スマホアプリ シードフレーズがあればできる 12語のシードフレーズ
ハードウェアウォレットのPIN Ledger・Trezor シードフレーズがあればできる 24語のシードフレーズ
シードフレーズそのもの ウォレット全般 基本的にできない なし(代替手段がない)
なふと

焦っている方は、自分のケースに当てはまる見出しまで飛ばしてください。取引所なら次の見出し、MetaMaskならその次です。

「ログインパスワード」と「シードフレーズ」は全然違う鍵

取引所のログインパスワードは、サービス側が管理している鍵です。忘れても、メールアドレスさえ生きていれば再発行できます。銀行のネットバンキングと同じ仕組みです。

一方、シードフレーズはブロックチェーン上の資産に直結する唯一の鍵です。これはどこの企業も保管していません。忘れたら代わりに発行してくれる窓口がどこにもないのです。

この区別がわかるだけで、パニックの半分は消えます。取引所のパスワードを忘れただけなら、深呼吸してください。

取引所のパスワードを忘れたなら5分で解決する

コインチェック、ビットフライヤー、GMOコインなど、国内の主要取引所はすべてメールベースのパスワードリセット機能を備えています。

資産は取引所のサーバーに保管されているので、パスワードを忘れたからといって消えることはありません。銀行口座のキャッシュカードの暗証番号を忘れたのと同じ状況です。

コインチェックの再設定はメール1通で終わる

コインチェックを例にパスワード再設定の手順を見ていきます。他の取引所もほぼ同じ流れです。

STEP
ログイン画面で「パスワードをお忘れですか?」をタップ

コインチェックのログイン画面を開いて、パスワード入力欄の下にあるリンクをタップします。

STEP
登録メールアドレスを入力してSMS認証を完了する

reCAPTCHAにチェックを入れたあと、登録済みのメールアドレスを入力します。携帯電話番号にSMSで届く6桁の認証コードを入力してください。

STEP
メール内のリンクから新しいパスワードを設定する

届いたメールの「再設定のリンク」をクリックすると、パスワード変更画面が開きます。新しいパスワードは半角英数字混在・8文字以上で設定してください。

bitFlyerやGMOコインでも同じ手順?

基本的に同じです。ログイン画面に「パスワードを忘れた方」のリンクがあり、登録メールアドレスを入力すると再設定用のメールが届きます。

再設定メールが届かないときに確認する3箇所

再設定リクエストを送ってもメールが届かない場合、まず迷惑メールフォルダを確認してください。GmailやYahoo!メールでは取引所からのメールが自動的に振り分けられることがあります。

フォルダにもない場合は、入力したメールアドレスが登録時と一致しているか確認を。ドメイン(@以降)が1文字違うだけで届きません。

それでも見つからないなら、キャリアメール(ドコモ・au等)の受信拒否設定が原因の可能性があります。PCドメインからのメールを拒否する設定になっていないか確認してください。

それでもメールが届かない場合は、取引所のサポートに本人確認書類を添えて問い合わせましょう。どの取引所にも専用の問い合わせフォームがあります。

2段階認証のスマホごと紛失したらサポートに連絡する

パスワードは再設定できても、2段階認証のアプリが入ったスマホを紛失・故障させてしまった場合は少し厄介です。Google Authenticatorのバックアップを取っていなければ、自力での解除はできません。

各取引所には「2段階認証解除」の専用フォームがあります。そこから本人確認書類とセルフィー(自撮り)を提出すると、数日から1週間程度で2段階認証が解除されます。

なふと

機種変のときにAuthenticatorの引き継ぎを忘れる人は本当に多いです。僕もやりかけました。Google Authenticator自体に「アカウントのエクスポート」機能があるので、新しいスマホに移行する前に必ず設定しておいてください。

取引所のパスワードを忘れただけなら、資産は無事です。メールが届けば5分、2段階認証の問題があっても1週間以内には解決します。

MetaMaskのパスワードを忘れたらシードフレーズが命綱になる

MetaMaskのログインパスワードを忘れても、シードフレーズ(シークレットリカバリーフレーズ)があれば復元できます。シードフレーズとは、ウォレットを作成したときに表示された12個の英単語のことです。

取引所と違って「パスワードを忘れた方はこちら」というメールが届く仕組みではありません。シードフレーズが命綱になります。

PCなら「パスワードを忘れた場合」から3分で復元できる

PCのChrome拡張でMetaMaskを使っている場合、手順は簡単です。

MetaMaskの拡張アイコンをクリックしてログイン画面を開いたら、「パスワードを忘れた場合」というリンクがあります。そこをクリックすると、シードフレーズの入力画面が出ます。

12語の英単語を半角スペースで区切って入力し、新しいパスワードを設定すれば復元完了です。ウォレット内のトークンもNFTも、ブロックチェーン上に記録されているので消えません。

スマホはウォレットを削除して再インポートが必要

スマホアプリのMetaMaskは、PCとは少し手順が異なります。

アプリを開いてログイン画面の下部にある「ウォレットのリセット」をタップします。注意事項が表示されるので、確認欄に「delete」と入力して「ウォレットを削除」をタップしてください。

削除後に「シークレットリカバリーフレーズを使用してインポートします」という画面が出るので、12語を入力して新しいパスワードを設定します。

ウォレットを「削除」しても資産は消えません。ブロックチェーン上に記録されたトークンやNFTは、シードフレーズでインポートし直せばすべて復元されます。

MetaMaskの使い方やセキュリティ対策については、以下の記事で詳しく解説しています。

MetaMaskのパスワード忘れは、シードフレーズさえあれば「焦らなくていいケース」です。PCなら3分、スマホでも5分で元通りになります。

ハードウェアウォレットのPINを忘れても同じ考え方でいける

LedgerやTrezorなどのハードウェアウォレットも、PINを忘れた場合の復元手段はMetaMaskと同じ考え方です。デバイスをリセットして、シードフレーズで再セットアップします。

LedgerはPINを3回間違えるとデバイスがリセットされます。TrezorはPINを16回間違えるとリセットされます。リセットされると中身は空になりますが、シードフレーズを入力すれば資産はすべて戻ります。

なふと

ハードウェアウォレットは最も安全な保管方法ですが、シードフレーズの管理が甘いと意味がなくなります。デバイスが手元にあっても、シードフレーズがなければ「ただの置物」です。

ハードウェアウォレットの選び方やLedger・Trezorの比較はこちらの記事にまとめています。

ハードウェアウォレットのPIN忘れも「焦らなくていいケース」です。ただし、すべてはシードフレーズが手元にあることが前提になります。

シードフレーズごと忘れた場合は、正直に言うと厳しい

ここからが「本当に焦るべきケース」です。

取引所のパスワードやMetaMaskのログインパスワードとは違い、シードフレーズを忘れた場合は基本的に資産を取り戻す方法がありません。取引所には「お問い合わせ窓口」がありますが、個人ウォレットにはそれがないのです。

ウォレットの運営元に問い合わせても「シードフレーズがなければ復元できません」という回答が返ってきます。これがセルフカストディ(自己管理)の現実です。

なぜ「復元不可能」なのか

シードフレーズはBIP-39という規格に基づき、2,048個の英単語リストから12語(または24語)を選んで構成されます。

12語の組み合わせ数は2,048の12乗、約5.4×10の39乗通りです。これは地球上の砂粒の数(約10の19乗)をはるかに超える数であり、総当たりで正解を見つけることは現実的に不可能です。

ただし、12語のうち一部を覚えている場合は話が少し変わります。KeychainXのような専門の復元サービスでは、部分的に覚えているフレーズをもとに残りの単語を推定する作業を行っています。成功報酬型で、費用は復元できた場合のみ発生します。とはいえ、成功率は決して高くありません。

「復旧します」というDMやサイトは100%詐欺だと思っていい

パスワードやシードフレーズを忘れてパニック状態になっているとき、SNSで「ウォレットを復旧できます」というDMが届くことがあります。

これはほぼ100%詐欺です。

手口はシンプルです。「復旧するにはシードフレーズを教えてください」と言ってきます。シードフレーズを渡した瞬間に、ウォレット内の資産はすべて抜き取られます。偽のサポートサイトに誘導して入力させるケースもあります。

正規の復元サービス(KeychainX等)は、シードフレーズの「全語」を一度に預かることはしません。全語を求められた時点で詐欺です。

なふと

「復旧できます」というDMは、火事の現場に「消火します」と言って来る放火犯みたいなものです。パニックのときほど冷静にならなければいけません。

よくある質問

取引所のパスワードを忘れたら資産は消えますか?

消えません。資産は取引所のサーバーに保管されているので、パスワードを再設定すればアクセスできます。メールアドレスも忘れた場合は、本人確認書類を添えてサポートに問い合わせてください。

MetaMaskのシードフレーズはどこで確認できますか?

ログインできる状態であれば、MetaMaskの「設定」→「セキュリティとプライバシー」→「シークレットリカバリーフレーズを表示」から確認できます。ログインパスワードの入力が必要です。

ログインできない状態でシードフレーズも手元にない場合、確認する手段はありません。

シードフレーズをパスワードマネージャーに保存するのは危険?

取引所のパスワードや2段階認証のバックアップコードは、1Passwordなどのパスワードマネージャーに保存して問題ありません。

ただし、シードフレーズはオフライン保管が推奨されています。パスワードマネージャーがハッキングされた場合、シードフレーズが漏洩するとウォレット内の全資産が危険にさらされるためです。

取引所と個人ウォレット、パスワード管理が楽なのはどっち?

パスワード管理のしやすさだけで言えば、取引所のほうが楽です。忘れてもメールで再設定できますし、2段階認証のトラブルもサポートが対応してくれます。

一方で取引所はハッキングや経営破綻のリスクがあります。大きな金額を長期保管するなら個人ウォレットのほうが安全ですが、シードフレーズの管理が前提です。自分の管理能力と保管額に応じて使い分けるのが現実的です。

パスワードで詰まないために今日からできること

仮想通貨のパスワードを忘れたときの対処法をケース別に解説しました。

ポイントをまとめます。

  • 取引所のパスワードを忘れた場合はメールで再設定可能。資産は消えない
  • MetaMask・ハードウェアウォレットはシードフレーズがあれば復元できる
  • シードフレーズを忘れた場合は基本的に資産を取り戻せない
  • 「復旧できます」というDMやサイトは詐欺の可能性が極めて高い
  • 2段階認証のスマホ紛失は取引所サポートで対応できるが、数日かかる

シードフレーズは紙に書いて2箇所以上に保管する

今後パスワードで「詰み」にならないために、今日やれることが一つあります。シードフレーズの保管方法を見直してください。

スマホのスクリーンショットやメモアプリへの保存は危険です。スマホがハッキングされればシードフレーズも漏洩します。クラウドに同期されるメモアプリも同様です。

最も確実なのは紙に手書きで書き写して、物理的に2箇所以上に分散保管することです。自宅の耐火金庫と実家の金庫など、離れた場所に置くのが理想です。

さらに耐久性を求めるなら、Cryptosteelのような金属プレートにシードフレーズを刻印するサービスもあります。火災や水害でも紛失しない保管が可能です。

ウォレットの安全な選び方や取引所との使い分けについてはこちらの記事で解説しています。

仮想通貨の口座をまだ持っていない方や、取引所を見直したい方はこちらもどうぞ。

なふと

シードフレーズの管理は面倒ですが、一度やってしまえば終わりです。「取り戻せない」を経験してからでは遅いので、今日のうちに確認しておくことをおすすめします。

  • URLをコピーしました!
目次