コインチェックから日本円を出金すると、1回あたり407円の手数料がかかります。
「GMOコインは無料なのに、コインチェックは高くない?」という声はよく見かけますが、本当にそうでしょうか。出金手数料だけを切り取って比べても、取引所の「本当のコスト」は見えてきません。
この記事では、コインチェックの出金手数料をGMOコイン・ビットバンクなど主要4社と並べて比較し、出金回数を減らして年間コストを抑える方法まで解説します。
コインチェックの出金手数料は一律407円
コインチェックで日本円を銀行口座に引き出す場合、金額にかかわらず手数料は一律407円です。1万円でも100万円でも同じ金額がかかります。
シンプルな料金体系ではありますが、出金のたびに407円が引かれるので、こまめに出金する人ほど負担が大きくなります。まずは出金手数料の基本を確認しておきましょう。
「出金」と「送金」を混同していないか
コインチェックの手数料を調べていると「出金手数料」と「送金手数料」が混ざって出てくることがあります。この2つはまったく別のものです。
出金は、コインチェックの口座にある日本円を自分の銀行口座に引き出す操作です。手数料は一律407円。
一方、送金は、保有している仮想通貨を外部のウォレットや別の取引所に移す操作です。送金手数料は通貨ごとに異なり、ビットコインは最低0.0005 BTC〜、イーサリアムは最低0.005 ETH〜が目安です(ネットワーク混雑時は上昇する変動制)。
なふと「出金手数料が高い」と思って調べたら、実は送金手数料の話だった、ということはよくあります。この記事では日本円の出金に絞って解説していきます。
仮想通貨の送金手順を知りたい方は、以下の記事にまとめています。

申請してから届くまで何日かかるか
出金申請を行うと、通常1〜2営業日で登録した銀行口座に着金します。
ただし「営業日」なので、土日祝日は含まれません。たとえば金曜の夜に出金申請をした場合、実際の処理は翌週の月曜から始まり、着金は月曜〜火曜になるケースが多いです。
- 残高が手数料(407円)を超えていれば出金可能。ただし少額出金は手数料の割合が大きくなるため注意
- 1回あたりの出金上限は5,000万円
- 出金先は本人名義の銀行口座のみ
「急いでいるから今日中に届いてほしい」という方は、出金申請のタイミングと曜日に注意してください。
GMOコイン・ビットバンクなど4社と出金手数料を比較した結果
コインチェックの407円が高いかどうかは、他の取引所と並べてみないとわかりません。国内の主要5社で出金手数料を比較してみました。
| 取引所 | 出金手数料 | 備考 |
|---|---|---|
| コインチェック | 407円 | 金額にかかわらず一律 |
| GMOコイン | 無料 | 大口出金(2,000万円超/回)は400円 |
| SBI VCトレード | 無料 | — |
| ビットフライヤー | 220円〜770円 | 銀行と金額で変動(三井住友銀行なら安い) |
| ビットバンク | 550円 / 770円 | 3万円未満 / 3万円以上 |
こうして並べてみると、出金手数料が無料なのはGMOコインとSBI VCトレードの2社。コインチェックの407円は「無料の2社には負けるが、ビットバンクやビットフライヤーよりは安い」という位置づけです。
無料で出金できるのはGMOコインとSBI VCトレード
出金手数料だけを見れば、GMOコインとSBI VCトレードが圧倒的に有利です。何回出金しても手数料がかかりません。
ただしGMOコインの場合、1回あたり2,000万円を超える大口出金には400円がかかります。一般的な個人投資家にはまず関係のない金額ですが、念のため知っておいて損はありません。
また、両社ともコインチェックとは取扱通貨数やアプリのUIが異なります。出金手数料が無料だからといって、すべてにおいて優れているわけではありません。
ビットバンクは出金額で手数料が変わる
ビットバンクの出金手数料は、3万円未満なら550円、3万円以上なら770円です。
つまり、どの金額帯で出金してもコインチェックの407円より高くなります。ビットバンクは板取引(取引所方式)の手数料が安い点が強みですが、出金手数料に関してはコインチェックの方が有利です。
5社を並べるとコインチェックは「真ん中」
5社を安い順に見ると、無料の2社(GMOコイン・SBI VCトレード)が抜けていて、次がコインチェックの407円。その下にビットフライヤー(220〜770円)、ビットバンク(550〜770円)と続きます。
「コインチェックの出金手数料は高い」という印象は、GMOコインだけと比べた場合の話です。全体で見れば中間的な水準であり、突出して高いわけではありません。
なふと出金手数料以外にも取引手数料やスプレッドなど、取引所には色々なコストがあります。出金手数料だけで「高い」「安い」を判断するのは早いです。
出金手数料以外の手数料も含めた総合比較は、以下の記事にまとめています。

出金手数料だけで取引所の「本当のコスト」は測れない
出金は月に1回やるかどうかですが、売買は毎回の取引で発生します。そして取引のたびにかかるスプレッド(売値と買値の差)は、出金手数料の何倍にもなることがあります。
10万円のビットコインを買って売って出金した場合の総コスト
「出金手数料が安い=お得な取引所」ではないことを確認するために、実際の取引を想定したシミュレーションをしてみます。
条件は「10万円分のビットコインを販売所で購入し、同額で売却して、日本円を出金する」というシンプルなケースです。
- 投資額: 10万円
- 売買方法: 販売所(スプレッドあり)
- ビットコイン価格の変動はゼロと仮定
- スプレッドは各社の実勢値(2026年3月時点の概算)
| 取引所 | スプレッド(往復概算) | 出金手数料 | 合計コスト |
|---|---|---|---|
| コインチェック | 約5,000円 | 407円 | 約5,407円 |
| GMOコイン | 約4,500円 | 0円 | 約4,500円 |
| ビットバンク(板取引) | 約300円 | 770円 | 約1,070円 |
ビットバンクは出金手数料が770円と最も高いですが、板取引を使えばスプレッドが大幅に小さくなるため、トータルコストでは最も安い結果になります。
一方、出金手数料が無料のGMOコインでも、販売所で売買すればスプレッドで4,500円ほどかかります。出金の407円を節約しても、スプレッドで数千円取られていては意味がありません。
「出金無料」に惹かれて販売所で買う方がよほど損をする
上のシミュレーションでわかる通り、出金手数料の差は最大でも数百円程度です。それに対してスプレッドの差は数千円単位で効いてきます。
出金は多くても月1〜2回ですが、売買は人によっては毎週のように行います。回数が多い方のコストを気にする方が、年間で見たときのインパクトは圧倒的に大きいです。
取引所を選ぶなら、出金手数料よりも「どの方法で売買するか(販売所か取引所か)」を先に考えた方が、結果的に得をします。
なふと出金手数料は目に見えるのでつい気になりますが、スプレッドは表示されないので見落としがちです。本当に痛いのは見えないコストの方だったりします。
出金回数を減らすだけで年間コストは大きく変わる
コインチェックの出金手数料をゼロにする方法はありません。ただし、出金する回数を減らすだけで年間の負担はかなり変わります。
月1回まとめて出金するだけで年間1万6,000円以上の差が出る
出金頻度ごとに年間コストを計算すると、その差は想像以上です。
- 毎週出金(年52回): 407円 × 52 = 21,164円
- 月1回出金(年12回): 407円 × 12 = 4,884円
- 3ヶ月に1回出金(年4回): 407円 × 4 = 1,628円
毎週出金する場合と月1回にまとめる場合では、年間で約16,000円の差になります。出金手数料を「高い」と感じている方の多くは、こまめに出金しすぎているケースが多いです。
利確した日本円は急いで出金せず、月末にまとめて1回出金するだけで、年間の手数料は5分の1以下に抑えられます。
クイック入金・コンビニ入金後の「7日間出金制限」に注意
出金回数を減らすのは有効ですが、もうひとつ知っておくべきルールがあります。
コインチェックでは、クイック入金やコンビニ入金で日本円を入れた場合、入金日から7日間は出金ができません。これはマネーロンダリング防止のための制限で、コインチェックに限らず多くの取引所で導入されている仕組みです。
「出金しようとしたのにできない」というトラブルの多くは、この7日間制限に引っかかっているケースです。急な出金が必要になりそうな方は、入金方法の段階から意識しておくとよいでしょう。
入金方法ごとの手数料や制限の違いは、以下の記事にまとめています。

なふと僕も最初はクイック入金の方が便利だと思って使っていたのですが、7日間出金できないことを知ってからは銀行振込に切り替えました。手数料もかからないですし。
コインチェックから日本円を出金する手順
スマホアプリからの出金は3ステップで完了します。初回だけ銀行口座の登録が必要ですが、2回目以降は1分もかかりません。
コインチェックのスマホアプリを開き、画面下部の「ウォレット」タブをタップします。資産一覧の中から「日本円」を選んでください。
「出金」ボタンをタップすると、出金先の銀行口座を入力する画面が表示されます。初回は銀行名・支店名・口座番号・口座名義を入力して登録します。2回目以降は登録済みの口座が表示されるので、選択するだけです。
出金先はコインチェックに登録している本人名義の口座に限られます。家族名義や法人名義の口座には出金できません。
出金したい金額を入力して「出金申請」をタップします。二段階認証(SMS認証またはGoogle Authenticator)で本人確認を行えば、申請は完了です。
あとは1〜2営業日で登録した銀行口座に着金します。出金の処理状況はアプリの「取引履歴」から確認できます。
なふと結婚や改姓で名前が変わった方は、出金前にコインチェック側の本人情報を更新しておいてください。口座名義と一致しないと出金が拒否されることがあります。
出金手順自体は非常にシンプルです。迷うことがあるとすれば、初回の銀行口座登録くらいでしょう。
よくある質問
まとめ
コインチェックの出金手数料について、他社との比較と実際の活用方法を見てきました。
- コインチェックの出金手数料は一律407円
- GMOコイン・SBI VCトレードは無料。ビットバンクは550円〜770円
- 5社で比較するとコインチェックは「真ん中」の水準
- 出金手数料よりも取引時のスプレッドの方がコストへの影響が大きい
- 月1回にまとめて出金するだけで年間コストは5分の1以下になる
- クイック入金・コンビニ入金後は7日間出金できない制限がある
出金手数料407円は、確かにゼロではありません。ただし、毎回の取引で発生するスプレッドに比べれば小さなコストです。
「出金手数料が気になる」と感じたら、出金の回数を減らすことと、売買時のスプレッドを見直すこと。この2つだけで、取引所にかかるトータルコストは大きく変わります。
なふと出金手数料はコントロールできませんが、出金のタイミングと売買方法は自分で選べます。見える手数料だけでなく、見えないコストにも目を向けてみてください。

