仮想通貨の借金は自己破産できる?知らないと地獄に落ちる法律の話

仮想通貨で借金地獄に陥った。

もしあなたが今、まさにその状況にいるなら、この記事は最後まで読む価値があります。

レバレッジで追証を食らった。利益を全部再投資して税金が払えない。借金して仮想通貨を買ったら暴落した。――理由は人それぞれでも、「どうすればいいか分からない」という絶望感は共通しています。

この記事では、仮想通貨で借金地獄に陥る5つのパターンを整理した上で、自己破産は可能なのか他にどんな法的手段があるのかを具体的に解説していきます。

結論から言えば、仮想通貨の借金は「解決不可能」ではありません。正しい知識と、正しい相談先さえ知っていれば、道は開けます。

目次

仮想通貨で「借金地獄」に陥る5つのパターン

まず知っておくべきなのは、仮想通貨で借金を負うパターンは大きく5つに分類できるということです。自分がどのパターンに当てはまるかを把握することが、解決の第一歩になります。

レバレッジ取引の追証で一発アウト

最も典型的なパターンが、レバレッジ取引による追証(追加証拠金)です。

レバレッジ取引は、預けた証拠金を担保に、その何倍もの金額を動かせる仕組みです。国内取引所では最大2倍、海外取引所では100倍以上のレバレッジが使えるケースもあります。

相場が自分の予想と逆方向に大きく動くと、損失が証拠金を超えてしまうことがあります。通常はロスカット(強制決済)が発動して損失を限定してくれるんですが、急激な暴落ではロスカットが間に合わないことがある。そうなると、証拠金を超えた損失分が「追証」として請求されます。

これが、いわゆる「一発退場」です。

なふと

国内取引所は最大2倍だから「まだマシ」と思うかもしれないけど、仮想通貨の1日の値動きが10%超えることなんて普通にある。2倍でも十分危険です。

利益を再投資 → 税金が払えない「税金トラップ」

これは意外と多いパターンです。そして、本人が「借金を負っている」という自覚がないまま進行するので、たちが悪い。

仕組みはシンプルです。

2025年に仮想通貨で1,000万円の利益が出た。嬉しくなって、その利益を全額再投資。でも2026年の確定申告では、2025年の利益に対して税金がかかります。仮想通貨の利益は「雑所得」として扱われ、所得税と住民税を合わせると最大55%が課税されます。

1,000万円の利益なら、ざっくり300万円以上の税金。でもそのお金はもう再投資に回してしまっている。しかも再投資先が暴落していたら、もう手元に現金がない。

「利益が出た=税金が確定した」という意識がないまま再投資を続けると、確定申告の時点で詰みます。

仮想通貨の税金の基本的な仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

借金して仮想通貨を買う(最悪のパターン)

消費者金融やカードローンでお金を借りて仮想通貨を購入する。これは言うまでもなく、最もやってはいけないパターンです。

仮想通貨は元本保証のない投資です。借金で買った仮想通貨が暴落すれば、「借金+損失」のダブルパンチを食らうことになります。しかも借金には利息がつくので、放置すればするほど状況は悪化する一方です。

「絶対に上がるから」「取り戻せるから」。そう思って借金を重ねるのは、投資ではなくギャンブルです。

詐欺・ハッキングで資金を失い、生活費に手を出す

「確実に儲かる仮想通貨案件」に投資したら、そのまま資金が消えた。取引所がハッキングされて資産がなくなった。こうした被害を受けた人が、失った資金を取り戻そうとして借金をしてさらに投資する――という悪循環に陥るケースがあります。

詐欺の見分け方を事前に知っておくことが、最大の防御策です。

生活費を仮想通貨に突っ込む

「余剰資金で投資する」。これは投資の大原則ですが、仮想通貨の急騰を見ると冷静さを失ってしまう人がいます。家賃、食費、光熱費に回すべきお金まで投資に突っ込んでしまい、仮想通貨が下落した瞬間に生活が破綻します。

生活費が足りなくなれば、当然借金するしかない。こうして「借金地獄」への入り口が開きます。

なふと

投資に使っていいのは「なくなっても生活に支障が出ないお金」だけ。これを守れない時点で、投資を続けるべきじゃないと僕は思います。

  • パターン①:レバレッジ取引の追証(ロスカットが間に合わず証拠金超えの損失)
  • パターン②:税金トラップ(利益を再投資し、納税資金が枯渇)
  • パターン③:借金して仮想通貨を購入(元本割れ+借金利息の二重苦)
  • パターン④:詐欺・ハッキング被害からの借金投資
  • パターン⑤:生活費を投資に流用し、生活破綻

仮想通貨の借金は自己破産できるのか?

ここからが本題です。仮想通貨で作った借金は、自己破産で消すことができるのか。多くの人が最も知りたいのは、この点でしょう。

【結論】「できる可能性は高い」が、簡単ではない

結論から言えば、仮想通貨の借金でも自己破産は「できる可能性が高い」です。ただし、無条件でOKというわけではありません。

なぜ「簡単ではない」のか。それは、仮想通貨取引が破産法上の「免責不許可事由」に該当する可能性があるからです。

免責不許可事由とは何か(射幸行為の扱い)

自己破産には「免責」という手続きが含まれています。免責が認められると、借金の返済義務がなくなります。つまり、モノや資産とは引き換えに、借金をゼロにしてもらえるわけです。

ただし、破産法には「こういう理由で借金を作った場合、免責を認めませんよ」という条件が定められていて、これを「免責不許可事由」と呼びます。

具体的には、「浪費又は賭博その他の射幸行為」によって借金を増やした場合が該当します。仮想通貨のレバレッジ取引は、投機性が高いため「射幸行為」とみなされる可能性があるわけです。

「免責不許可事由に該当する=絶対に自己破産できない」ではありません。ここが最大のポイントです。

裁量免責という『救済ルート』

免責不許可事由に該当する場合でも、裁判所が「この人は免責を認めてあげてもいい」と判断すれば、借金を免除してもらえる制度があります。これが「裁量免責」です。

裁量免責の判断基準には、以下のようなものがあります。

  • 破産に至った経緯(やむを得ない事情があったか)
  • 本人の反省の度合い
  • 破産手続きへの協力姿勢
  • 免責不許可事由に該当する行為の程度
  • 経済的な更生の見込み

実際のところ、裁量免責が認められるケースは少なくありません。「仮想通貨=自己破産できない」と思い込んで相談すら諦めている人がいますが、これは大きな間違いです。

「免責不許可事由に該当するから終わり」ではなく、「裁量免責で救済される可能性がある」。これを知っているかどうかで、人生が変わります。

裁量免責が認められないケースはあるの?

あります。財産を意図的に隠していた場合や、破産手続きに非協力的な態度を取った場合、過去にも自己破産歴がある場合などは、裁量免責が認められにくくなります。弁護士と相談し、正直に全てを開示することが重要です。

20万円以上の仮想通貨は没収される

もう一つ知っておくべき事実があります。自己破産をする場合、保有している仮想通貨は「財産」として申告する義務があります。

破産手続開始決定が出された時点の時価で価値が計算され、20万円以上の仮想通貨は換価処分(売却)の対象になります。売却されたお金は、債権者への配当に充てられます。

ここで絶対にやってはいけないのが、仮想通貨を隠す行為です。手続き中に勝手に売却したり、別のウォレットに移したりすると「財産隠し」と判断され、免責が取り消されるだけでなく、詐欺破産罪に問われる可能性すらあります。

なふと

ブロックチェーンは透明性が高いんで、「バレないだろう」は通用しません。全部正直に申告するのが、結果的に自分を救う最善手です。

自己破産だけじゃない。3つの債務整理を比較

「自己破産」という言葉のインパクトが強すぎて、それ以外の選択肢を知らない人が多い。でも実は、借金問題を解決する方法は自己破産だけではありません。

債務整理には大きく3つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを整理しましょう。

任意整理 → 利息カット+返済延長

任意整理は、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長を実現する手続きです。裁判所を通さないため、最もシンプルで費用も比較的安く済みます。

借金の元本が大幅に減るわけではありませんが、「利息さえなくなれば返済できる」という状況なら、任意整理が現実的な選択肢になります。

個人再生 → 借金を大幅減額(原因不問)

個人再生は、裁判所に再生計画案を提出し、借金を大幅に減額してもらう手続きです。減額幅はケースにもよりますが、借金が5分の1程度まで圧縮されることもあります。原則3年(最長5年)で返済するスケジュールを立てます。

個人再生の最大のメリットは、借金の原因が問われないことです。自己破産では「免責不許可事由」に引っかかる可能性がある仮想通貨の借金でも、個人再生なら問題なく手続きを進められます。

「自己破産は免責されないかもしれない」と不安なら、個人再生を検討する価値が十分にあります。

自己破産 → 全額免除だがリスクあり

前述の通り、自己破産が認められれば借金はゼロになります。ただし、信用情報に事故情報が記録される(いわゆる「ブラックリスト」に載る)、一定期間は新たな借入やクレジットカードの作成ができなくなる、といったデメリットがあります。

また、持ち家や車などの財産は処分される可能性があり、一部の職業では資格制限がかかることもあります。

【比較表】3つの債務整理、どれを選ぶべきか

任意整理個人再生自己破産
減額幅利息カット中心元本を大幅減額(最大80%)全額免除
裁判所不要必要必要
借金原因問われない問われない免責不許可事由あり
財産処分なし原則なしあり(20万円超)
ブラックリスト約5年約5〜10年約5〜10年
向いている人利息がなくなれば返せる人大幅減額が必要+財産を守りたい人返済能力がない人
なふと

「どれを選べばいいか」は、借金の額と返済能力で決まります。自分で判断せず、弁護士に相談して一緒に決めるのが正解です。

税金の借金だけは「自己破産でも消えない」

ここまで読んで、「じゃあ自己破産すれば全部解決だ」と思った人に、一つ重要な事実を伝えなければなりません。

税金の滞納分は、自己破産しても免責されません。

仮想通貨の利益に対する所得税・住民税、無申告加算税、延滞税――これらは「非免責債権」と呼ばれ、自己破産が認められた後もずっと残り続けます。

仮想通貨の税金は雑所得、最大55%

仮想通貨の利益は「雑所得」に分類されます。給与所得などと合算されて累進課税が適用されるため、所得税(最大45%)+住民税(10%)で、最大55%が課税される可能性があります。

課税所得所得税率住民税合計税率
195万円以下5%10%15%
330万円以下10%10%20%
695万円以下20%10%30%
900万円以下23%10%33%
1,800万円以下33%10%43%
4,000万円超45%10%55%

株式投資なら一律約20%の申告分離課税ですが、仮想通貨にはこれが適用されません。2026年度の税制改正で分離課税への移行が議論されていますが、現時点では未確定です。

無申告加算税・延滞税で借金が膨らむ仕組み

税金を払えないからといって放置すると、ペナルティがどんどん上乗せされます。

  • 無申告加算税:申告しなかった場合、納付すべき税額に対して最大30%が加算
  • 過少申告加算税:申告額が少なかった場合、追加分に対して最大15%が加算
  • 重加算税:意図的な隠蔽があった場合、最大50%が課される
  • 延滞税:未納期間に応じて利息のように加算され続ける

最悪の場合、給与や仮想通貨を含む財産が差し押さえられます。「払えないなら仕方ない」で済む話ではありません。

税金の借金は「逃げられない借金」です。だからこそ、早めの対処が命綱になります。

納税の猶予・換価の猶予を使う方法

ただし、「税金が払えない=即座に差し押さえ」ではありません。税務署に相談すれば、以下の猶予制度を利用できる可能性があります。

  • 納税の猶予:災害や病気など、一時的に税金を一括で支払えない事情がある場合、原則1年間の猶予が認められることがあります。猶予期間中は延滞税が軽減されます。
  • 換価の猶予:税金を一括で納めると生活が困難になる場合、財産の差し押さえや売却を猶予してもらえる制度です。

いずれの制度も、自分から税務署に相談しに行くことが前提です。放置していて向こうから「猶予しましょうか?」と言ってくれることはありません。

なふと

税務署って聞くと怖いかもしれないけど、「払う意思がある」と伝えた上で相談すれば、柔軟に対応してくれるケースが多いです。逃げるのが一番ダメ。

仮想通貨の節税戦略について、もっと詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。

今すぐ相談すべき場所と、やるべきこと

借金問題は、放置すればするほど悪化します。利息は膨らみ、延滞税は積み上がり、精神的にも追い詰められる。だからこそ、今すぐ行動することが大事です。

「まだ大丈夫」と思っている人ほど、状況は深刻化しています。相談は早ければ早いほど、選択肢が多い。

弁護士(債務整理に強い事務所を選ぶ)

借金問題の相談先として最も頼りになるのは、債務整理に強い弁護士です。弁護士に依頼すると、債権者からの督促をストップさせることもできます。精神的な負担が大幅に軽くなるので、これだけでも相談する価値があります。

初回相談が無料の事務所も多いので、まずは「話を聞いてもらう」だけでもOKです。

法テラス(無料相談3回+費用立替制度)

「弁護士費用が払えない」という人には、法テラス(日本司法支援センター)がおすすめです。収入・資産が一定基準以下であれば、3回まで無料で法律相談を受けられます。さらに、弁護士費用の立替制度もあります。

法テラスは国が設立した公的機関なので、安心して利用できます。

金融庁・国民生活センターの相談窓口

仮想通貨に関するトラブル全般については、金融庁の相談窓口や国民生活センター(消費者ホットライン:188)でも相談を受け付けています。特に詐欺被害の場合は、警察への相談も検討してください。

相談前に準備しておくべき3つの情報

弁護士や法テラスに相談する前に、以下の情報を整理しておくとスムーズです。

  • 借金の総額と、それぞれの借入先(消費者金融、カードローン、追証など)
  • 現在の月収・手取り額と、毎月の固定支出
  • 保有している仮想通貨の種類・数量・現在の時価

一人で抱え込まないでください。仮想通貨の借金は、専門家と一緒に解決する問題です。

二度と借金地獄に陥らないための5つの鉄則

借金問題を解決した後、最も大切なのは「同じ過ちを繰り返さないこと」です。仮想通貨投資自体が悪いわけではありません。やり方さえ間違えなければ、資産形成の有力な選択肢です。

現物取引から始める(レバレッジは上級者向け)

レバレッジ取引は、十分な経験と資金管理の知識がある人のための手法です。初心者や、一度借金を経験した人は、まず現物取引だけで投資を再開するべきです。現物取引なら、投資した金額以上の損失が発生することはありません。

利益の30〜50%を「税金用口座」に即移動

利益を確定したら、その場で利益の30〜50%を別の銀行口座に移す。これを習慣化するだけで、税金トラップを避けられます。「後でやろう」は禁句です。利益を確定した瞬間に移す。これをルールにしてください。

余剰資金でしか投資しない

生活費、緊急用の貯金、近い将来使う予定のあるお金――これらは絶対に投資に回してはいけません。投資に使っていいのは、「仮にゼロになっても生活に支障が出ないお金」だけです。

損切りルールを事前に決める

「ここまで下がったら売る」というラインを、エントリー前に決めておく。これが損切りルールです。「もう少し待てば戻るかも」という感情に流されると、損失は際限なく膨らみます。

ルールを決めること自体は簡単。難しいのはルールを守ること。だからこそ事前に決めておくことに意味がある。

少額積立という最強のリスク管理

毎月一定額をコツコツ積み立てる「ドルコスト平均法」は、価格変動のリスクを分散させる最もシンプルな方法です。一度に大金を投入して「一発逆転」を狙うのではなく、時間を味方につける。

少額投資のメリットと実践方法については、こちらの記事で詳しくまとめています。

なふと

「借金を経験したからもう仮想通貨は怖い」って気持ちは正しい。でも、正しいやり方で再出発すれば、過去の経験はむしろ最強の教訓になる。

よくある質問

仮想通貨の借金はいくらから弁護士に相談すべきですか?

金額に明確な基準はありません。ただし、毎月の返済が苦しい、利息だけで手一杯、督促が止まらないなど、日常生活に支障が出始めた時点で相談すべきです。早ければ早いほど選択肢は広がります。

自己破産すると仮想通貨取引は二度とできなくなりますか?

いいえ。自己破産後も仮想通貨取引を行うこと自体に法的な制限はありません。ただし、信用情報に事故情報が残っている期間(約5〜10年)は、クレジットカードやローンが利用しにくくなるため、余剰資金のみでの取引に限定されます。

家族に知られずに債務整理はできますか?

任意整理であれば、裁判所を通さないため、家族に知られずに手続きを進めることが可能です。個人再生や自己破産は裁判所を通すため、完全に秘密にすることは難しい場合があります。

レバレッジ取引の追証は分割払いできますか?

取引所によって対応が異なります。一括での支払いを求められることが多いですが、支払えない場合は取引所に相談してください。交渉の余地がある場合もあります。どうしても支払えない場合は、弁護士を通じて対応する方法もあります。

仮想通貨の損失を翌年に繰り越すことはできますか?

現行制度では、仮想通貨(雑所得)の損失を翌年に繰り越すことはできません。また、給与所得など他の所得との損益通算もできません。同じ年内の仮想通貨取引同士でのみ、利益と損失の相殺が可能です。

海外取引所のレバレッジ取引は追証がないって本当ですか?

一部の海外取引所では「ゼロカットシステム」を採用しており、証拠金以上の損失が発生しません。ただし、海外取引所は日本の金融庁の規制対象外であり、トラブル時に日本の法律で保護されない可能性があります。リスクを理解した上で利用してください。

まとめ

仮想通貨で借金を負ってしまった。その事実は変えられません。でも、そこから先の行動は、自分で選ぶことができます。

この記事のポイントを整理します。

  • 仮想通貨で借金地獄に陥る原因は主に5つ(レバレッジ追証、税金トラップ、借金投資、詐欺被害、生活費流用)
  • 自己破産は「免責不許可事由」に当たる可能性があるが、裁量免責で認められるケースも多い
  • 自己破産以外にも「任意整理」「個人再生」という選択肢がある
  • 税金の借金だけは自己破産でも消えない。猶予制度を活用する
  • 一人で悩まず、弁護士や法テラスに早めに相談する

「もう終わりだ」と思ったときこそ、専門家に相談することで道が開けます。借金問題は、恥ずかしいことでも、取り返しのつかないことでもありません。

なふと

この記事にたどり着いた時点で、あなたはもう行動を始めています。あとは、専門家の力を借りるだけです。

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