2026年2月。ビットコインが最高値から約40%下落している。
SNSを開けば「仮想通貨終わった」「やっぱりギャンブルだった」「あの時売っておけばよかった」のオンパレード。テレビでは「暴落で○億円が消失」という見出しが踊り、コメンテーターが深刻な顔で「投資は自己責任ですからね」と締めくくる。
なふとこの光景……何回目ですかね。僕が仮想通貨を触り始めてからだけでも、もう4回は見てます。
そう、4回目です。そして過去3回とも、「終わった」と言った人たちは間違っていました。
この記事では、ビットコインの暴落の歴史を振り返りながら、「暴落=チャンス」が本当なのかをデータで検証します。もちろんリスクも正直に書きます。最終的にどう判断するかは、あなた次第です。
ビットコイン暴落の歴史を振り返る
まず事実を並べます。ビットコインがこれまでにどれだけの暴落を経験し、その後どうなったのか。感情を一切排除して、数字だけを見てください。
2014年 マウントゴックス事件(-80%)
2014年2月、当時世界最大のビットコイン取引所だったマウントゴックスがハッキングされ、約470億円相当のビットコインが流出しました。取引所はそのまま破綻。
ビットコインの価格は約80%下落。世界中のメディアが「ビットコインは終わった」と報じました。当時の論調は「やはりデジタル通貨に未来はない」「こんな危険なものが普及するわけがない」。
その後どうなったか。3年後の2017年、ビットコインは220万円まで高騰しました。
2018年 バブル崩壊(-84%)
2017年末に約220万円をつけたビットコインは、2018年末には35万円まで下落。84%の暴落です。これがいわゆる「仮想通貨バブルの崩壊」。
テレビのワイドショーでは「仮想通貨で全財産を失った会社員」の特集が連日放送されました。「仮想通貨=ギャンブル」のイメージが日本中に定着したのはこの時期です。
なふと当時の掲示板とか見返すと、もう阿鼻叫喚。「二度と仮想通貨には手を出さない」って書いてる人、多分今ものすごく後悔してると思います。
その後どうなったか。2021年にビットコインは550万円を突破。暴落前の高値を大幅に上回りました。
2020年 コロナショック(1日で-40%)
2020年3月、新型コロナウイルスのパンデミックで世界の金融市場がパニックに陥りました。株も金もビットコインも、文字通りあらゆる資産が叩き売られた。
ビットコインは1日で約40%下落。半値です。「安全資産じゃなかったのか」「やはり暗号資産はリスク資産だ」という声が噴出しました。
その後どうなったか。数ヶ月で完全回復し、翌年には過去最高値を更新しました。
2022年 LUNA崩壊+FTX破綻(-35%)
2022年は仮想通貨業界にとって最悪の年でした。5月にアルゴリズム型ステーブルコインUSTが崩壊し、関連するLUNAトークンが事実上ゼロに。11月には世界最大級の取引所FTXが破綻。
これまでの暴落はすべて「外部要因」か「市場サイクル」でしたが、今回は業界内部からの崩壊。「今度こそ本当に終わりだ」という声に、正直なところ僕自身も少し動揺しました。
その後どうなったか。2024年1月にビットコインETFが承認され、史上最高値を更新しました。
そして2026年2月、今ここ(-40%)
2025年10月に記録した史上最高値約1,260万円から、2026年2月時点で約40%下落。現在は1,100万円台で推移しています。
原因として挙げられているのは、米政府機関の再閉鎖リスク、イラン情勢の緊迫化、FRB次期議長人事の不透明感、ETFからの短期的な資金流出。
そして今回も、SNSには「終わった」の文字が並んでいます。
ここで、過去の暴落を一覧で見てみましょう。
| 時期 | 原因 | 下落幅 | その後 |
|---|---|---|---|
| 2014年 | マウントゴックス破綻 | -80% | 2017年に220万円へ |
| 2018年 | バブル崩壊 | -84% | 2021年に550万円へ |
| 2020年3月 | コロナショック | -40% | 数ヶ月で完全回復 |
| 2022年 | LUNA崩壊 / FTX破綻 | -35% | 2024年に過去最高値更新 |
| 2026年2月 | 地政学リスク / ETF資金流出 | -40% | ? |
暴落するたびに「終わった」と言われ、暴落するたびに回復してきた。これがビットコインの15年間の歴史です。
「終わった」と騒ぐ人が毎回間違える理由
5回の暴落。5回の「終わった」。そして4回の回復(5回目は現在進行中)。なぜ人は毎回同じパターンを繰り返してしまうのか。これには明確な心理的メカニズムがあります。
暴落の記憶は残るが、回復の記憶は消える
行動経済学に「プロスペクト理論」というものがあります。簡単に言うと、人間の脳は「損失」を「利益」の約2倍強く感じるようにできている。
「ビットコインが1日で40%暴落した」というニュースは脳に強く焼きつきます。でも「ビットコインが3年かけて5倍になった」という情報は、ゆっくりすぎてほとんど記憶に残りません。
暴落は「事件」として記憶される。回復は「日常」として忘れられる。この非対称性が、判断を歪めます。
なふと2022年に「仮想通貨は終わった」って言ってた人たち、2024年にETF承認されたとき何してたんでしょうね。たぶん気づいてすらいないんじゃないかな。
メディアは恐怖を煽るのが仕事
「暴落でXX億円が消失!」という見出しと、「市場はゆっくり回復中」という見出し。どちらがクリックされるか。当然前者です。
メディアが報じる内容は「事実」ではあっても、「全体像」ではありません。暴落したことは事実。でもその後に回復したことも事実。後者が報じられないだけで、なかったことにはならない。
情報源をテレビやSNSだけに頼っていると、判断は確実に歪みます。
「今回は違う」は毎回言われている
暴落のたびに「今回は違う。今度こそ本当に終わりだ」という声が上がります。面白いことに、理由は毎回違う。でも結論は毎回同じ。
- 2014年:「取引所が潰れた。技術的に欠陥がある」
- 2018年:「あれはバブルだった。実需がない」
- 2022年:「業界内部が腐敗している。信用できない」
- 2026年:「地政学リスクだ。ETFから資金が流出している」
理由はすべてもっともらしい。でも結果はどうだったか。4回中4回、「今回は違う」と言った人が間違っていた。
「今回は違う」は、金融の世界で最も高くつく言葉です。
暴落が「チャンス」と言える3つの根拠
「過去に回復したから次も回復する」というだけでは、ただの楽観論です。暴落がチャンスであると言うためには、データと状況に基づいた根拠が必要です。
過去の「売られすぎ」局面では平均147%のリターン
ブロックチェーンの取引データを分析する指標に「MVRV Zスコア」というものがあります。これはビットコインの時価総額と実現価値を比較するオンチェーン指標で、市場が過熱しているか、売られすぎかを数値で判定できます。
この2回の「売られすぎ」局面の後に何が起きたか。
| 売られすぎ局面 | 底値付近の価格 | その後の高値 | リターン |
|---|---|---|---|
| 2020年3月(コロナ) | 約50万円 | 約750万円(2021年) | +1,400% |
| 2022年11月(FTX) | 約230万円 | 約1,260万円(2025年) | +448% |
| 2026年2月(現在) | 約1,100万円 | ? | ? |
過去データの平均リターンは約147%(バーンスタイン調べ)。もちろんこれは過去の話であり、将来を保証するものではありません。でも、「売られすぎ」の水準が示す意味は明確です。市場が恐怖によって過度に売り込まれている、ということです。
機関投資家は暴落中に買い増している
個人投資家が「終わった」と叫んでいるとき、プロはどうしているか。
ストラテジー社(旧マイクロストラテジー)は、ビットコイン価格が下落した2026年初頭にも約9,000万ドル(約140億円)相当のビットコインを追加購入しています。暴落のど真ん中で、です。
ブラックロックのビットコインETF(IBIT)の保有残高も、短期的な資金流出はあったものの、長期トレンドでは一貫して増加しています。
なふとつまり、暴落で「終わった」と叫んでるのは個人投資家だけで、運用資産1,500兆円のブラックロックとかは黙々と買い増してるわけです。どっちの判断を信じますか、と。
これは毎回繰り返されるパターンです。個人が感情で売り、機関がデータで買う。結果として、機関投資家が安い価格で仕込み、個人投資家は高くなってから「やっぱり買えばよかった」と言う。
2026年の市場環境は過去の暴落時とは根本的に違う
過去の暴落と今回の最大の違いは、「制度的な下支え」が存在するかどうかです。
2014年にマウントゴックスが破綻したとき、ビットコインには何の制度的保護もありませんでした。2018年のバブル崩壊時も、規制は未整備でした。
でも2026年は違います。
- 米国でビットコインETFが承認済み → 機関投資家が証券口座から簡単に投資できる
- 米国が「戦略的ビットコイン準備金」を構想中 → 国家レベルでの需要が存在
- 日本では金融庁登録の取引所が30社以上 → 分別管理と顧客保護が法律で義務化
- 楽天・SBI・GMOなどの大手企業が取引所を運営 → 一社破綻しても業界は消えない
過去の暴落時にはなかった「制度的な下支え」が、2026年には存在する。これが今回の暴落が「チャンス」と言える最大の理由です。
とはいえ、暴落は怖い。リスクの正直な話
ここまで「暴落は過去にも起きたし、毎回回復してきた」「データ的にもチャンスの可能性が高い」という話をしてきました。でも、ここで楽観的な話だけして終わるつもりはありません。
リスクを隠すメディアは信用できない。それは僕自身が一番よくわかっています。
「回復する」保証はどこにもない
過去4回の暴落がすべて回復したのは事実です。でもそれは「5回目も回復する」ことの証明にはなりません。
ビットコインが世界的に禁止される確率は限りなく低い。ETFが承認され、国家が備蓄する時代にそれはほぼ考えられない。でも「ほぼ」と「ゼロ」は違います。
過去の実績は将来のリターンを保証するものではありません。これは投資の大原則であり、例外はありません。
回復までに数年かかることもある
2018年の暴落では、前回の高値(220万円)を超えるまでに約3年かかりました。3年間、自分の資産が半分以下の状態を見続けるのは、想像以上に辛い。
「暴落はチャンスだ。今買えば3年後には倍になるかもしれない」。理屈としては正しい。でも「3年待てる資金」でなければ、途中で生活のために損切りを余儀なくされます。
なふと「5年は使わない金だけ突っ込め」は投資の基本中の基本。生活費を入れたら、暴落の恐怖に耐えられるわけがないです。
精神的に耐えられるかどうか
投資で最も軽視されるリスクが「精神的なリスク」です。
50万円を投資して、それが25万円になった画面を毎日見る。ニュースを開けば「さらに下がる可能性」の文字。周りからは「だから言ったのに」と言われる。
頭では「今は耐える時期だ」とわかっていても、心がついていかない。結局、最悪のタイミングで売ってしまう。これがパニック売りのメカニズムであり、個人投資家が損をする最大の原因です。
暴落がチャンスになるのは、冷静でいられる人だけです。冷静でいるためには、「なくなっても生活に影響しない額」で投資することが絶対条件です。
暴落時にやるべきこと、絶対やってはいけないこと
「暴落はチャンスかもしれない。でもリスクもある。」ここまで読んで、そう感じてくれたなら正解です。その上で、暴落時に具体的にどう動くべきかを整理します。
やるべきこと
- 積立投資(ドルコスト平均法)を淡々と継続する。暴落時は同じ金額でより多くのビットコインが買える
- 余剰資金がある場合、少額を「分散して」追加購入する。一括で全額投入しない
- 情報源を確認する。SNSの意見は事実ではない。データと公式情報を見る
- 投資資金を蓄積しておく。本当の底が来たときに動ける余力を残す
暴落時に最も大切なのは、「何もしない勇気」を持つこと。パニックで動くのが一番の損失原因です。積立投資をしている人は、設定を変えずにそのまま放置する。これが正解です。
絶対にやってはいけないこと
- パニック売り — 感情に任せて一括売却すると、ほぼ確実に「底で売る」ことになる
- レバレッジ取引 — 暴落時のレバレッジは致命傷。強制ロスカットで資金が消える
- 借金で「チャンスだ」と全力投資 — チャンスかもしれないが、外した場合のダメージが取り返しがつかない
- SNSの「底値予想」を信じて一括購入 — 底値を当てられる人間はこの世に存在しない
なふと「底で買って天井で売る」ができたら誰でも億万長者です。それができないからこそ、積立投資で時間を味方につけるんですよね。
暴落が「チャンス」になるのは、冷静な人だけです。感情で動いたら、チャンスは一瞬でリスクに変わります。
よくある質問
まとめ
ビットコインの暴落は、15年間で5回起きています。そして5回とも、「終わった」と言われました。4回は回復し、5回目(2026年2月)は今まさに進行中です。
「暴落=チャンス」と断言するつもりはありません。回復する保証はどこにもないし、回復までに数年かかるかもしれない。精神的に耐えるのは簡単ではないし、生活資金での投資は論外です。
でも、これだけは確実に言えます。
調べもせずに「終わった」と結論づけることが、最大のチャンスを逃す原因です。
過去の暴落で冷静に行動した人と、感情的に逃げた人。15年間の結果の差は歴然です。暴落は恐怖です。でも恐怖のど真ん中にいるとき、データを見て、事実を確認して、「この恐怖は合理的か?」と自分に問いかけられるかどうか。
暴落は恐怖です。でも、恐怖の中にしかチャンスはありません。
まずは冷静に、情報を集めるところから始めてみてください。

